日本株は5日続伸、世界的な緩和観測と円安-LINE初値は48%高に

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15日の東京株式相場は5日続伸。世界的な金融緩和の拡大観測に加え、為替の円安推移で過度な業績懸念が後退した。保険や証券、銀行株など金融セクターが業種別上昇率上位に並び、輸送用機器など輸出株、鉄鋼など素材株も高い。東証1部に新規上場したLINEの初値は、公開価格を48%上回った。

  TOPIXの終値は前日比5.94ポイント(0.5%)高の1317.10、日経平均株価は111円96銭(0.7%)高の1万6497円85銭。TOPIXの5日連続高は2015年11月17日ー24日以来、およそ8カ月ぶり。

  コモンズ投信の糸島孝俊チーフポートフォリオマネジャーは、「米国景気の堅調、日本のヘリコプターマネー政策の導入観測、英新首相決定で英混乱が落ち着いたように見え、複合的な要因でリスクオンに向かっている」と指摘。ただし、株価水準が上がってしまったから買わざるを得ない、損失が出てしまったから買い戻さざるを得ないというような消極的な買いが大半を占めていると分析、「今後は乱高下する」とみている。

ラインのキャラクター

Photographer: SeongJoon Cho/Bloomberg

  12日の欧米株は上昇。日本のほか、英国も金融緩和を拡大するとの観測から世界的な流動性相場の継続を見込む買いが優勢だった。特に米国はJPモルガン・チェースの好決算もあり、S&P500種株価指数が4日連続で史上最高値を更新。ニューヨーク原油先物も2.1%高の1バレル=45.68ドルと反発し、リスク選好の動きがみられた。イングランド銀行(中央銀行)は金融政策委員会議事録で、メンバーの大半が8月の金融緩和を想定していることを明らかにした。

  為替市場でも円のリスク逃避需要が後退し、きょうのドル・円は午前に一時6月24日以来の1ドル=106円30銭台までドル高・円安が進行。前日の日本株終値時点は105円31銭だった。大和証券投資戦略部の高橋卓也日本株シニアストラテジストは、月末の日本銀行の金融政策決定会合まで、日銀が国債を買い切って財政資金を提供するヘリコプターマネー政策への期待感が続く公算が大きいと指摘。一方で、ヘリマネ導入の「強い確証があって買いを入れている向きはほとんどおらず、単に勢いに乗っているだけ。『バスに乗り遅れるな』の反応」と話していた。

  小幅高で始まったこの日の日本株は、朝方にTOPIXが一時マイナス圏に沈んだが、その後は円安基調の強まりとともに上昇。日経平均はおよそ1カ月ぶりに1万6500円を回復する場面があった。ただ、午後2時ごろから円安の勢いが一服すると、株価指数も伸び悩み。週末を前にした持ち高整理の動きも上値を抑えた。

  東証1部33業種は保険、証券・商品先物取引、その他製品、銀行、その他金融、輸送用機器、鉄鋼、海運、ガラス・土石製品、機械など19業種が上昇。水産・農林や食料品、医薬品、サービス、石油・石炭製品、情報・通信など14業種は下落。相対的にディフェンシブセクターが安かった。東証1部の売買高は25億1078万株、売買代金は3兆1131億円。代金は、英国ショックで急落した6月24日以来の3兆円乗せ。値上がり銘柄数は980、値下がりは878。

  売買代金上位では任天堂が続伸、野村証券が投資判断を上げたファーストリテイリングは急騰した。Fリテイリは1銘柄で日経平均を196円分押し上げるなど、指数の上げ幅以上の寄与度だった。三菱UFJフィナンシャル・グループやマツダ、第一生命保険、野村ホールディングス、サノヤスホールディングス、日立製作所、JFEホールディングス、アルプス電気、イマジカ・ロボットホールディングスも高い。半面、キーエンスやファナック、JT、キヤノン、小野薬品工業、大和ハウス工業、ニトリホールディングスは安い。

  東証1部に新規株式公開(IPO)した無料通信アプリのLINEは買い気配で始まり、午前10時30分すぎに形成された初値は公開価格の3300円を48%上回る4900円。一時5000円を付け、時価総額も1兆円を超えたが、終値は4345円だった。SBI証券の藤本誠之シニアマーケットアナリストは、「LINE株の上昇により資金の好循環が生まれれば、市場センチメントの改善につながる」とみる。

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