7月14日の海外株式・債券・為替・商品市場

更新日時

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:円が下落、対ドルの週間ベースでは17年ぶり大幅安も

14日のニューヨーク外国為替市場では円が下落。週初から対ドルで 下げ基調にあり、この水準で週を終えれば週間ベースでの下げは1999年 以降最大となる。安倍晋三首相が策定を指示した経済政策の詳細を見極 めようとする動きが強まる中、円売りが優勢となっている。

円は主要16通貨の大半に対して値下がり。ブルームバーグの報道に よると、バーナンキ前米連邦準備制度理事会(FRB)議長は今春、本 田悦朗氏との会談で日本による永久国債発行のアイデアに言及してい た。バーナンキ氏は今週、安倍首相らと東京で会談した。また産経新聞 は、安倍首相周辺では日銀が国債を買い切って財政資金を提供するヘリ コプターマネー政策の導入が検討課題に浮上してきたと報じた。菅義偉 官房長官は13日、ヘリコプターマネーの検討を否定している。

クレディ・アグリコルの為替ストラテジスト、バシーリ・セレブリ アコフ氏(ニューヨーク在勤)はブルームバーグテレビジョンで、「当 社は円に弱気だ」と述べ、「われわれの目標は現在のところかなり控え めで、当面1ドル=110円、112円といったところだ。だが刺激策が実際 に行われた場合に備え、こうした予想を見直す準備はある」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、円は対ドルで前日比0.8%安の1 ドル=105円35銭。週初からでは4.6%の下げとなっている。対ユーロで はこの日1.1%安の1ユーロ=117円14銭と、4日続落。

英国の欧州連合(EU)離脱決定に伴う減速を回避するため、日本 や英国が刺激策で対応する兆しが見られる中、円は過去1週間に主要31 通貨全てに対して値下がりした。

コモンウェルス銀行(CBA)のストラテジスト、ピーター・ドラ ギセヴィッチ氏(ロンドン在勤)は「財政と金融による2本柱の刺激策 への期待が、円の下押し圧力となっているのは確かだ」と述べた。

原題:Yen Heads for Biggest Weekly Loss in 17 Years on Abe Signals(抜粋)

◎米国株:S&P500種は4日連続で高値更新、緩和期待や業績楽観で

14日の米株式相場は5日続伸し、最高値を更新した。世界的に金融 緩和が拡大するとの見方に加え、利益が予想を上回ったJPモルガン・ チェースの決算が銀行収益への楽観を強めた。

JPモルガンは1.5%上昇し、銀行株をけん引。英国の欧州連合 (EU)離脱選択直後の大幅安を起点とする上昇相場の勢いをさらに強 めた。シティグループは2.6%高。利益が予想を上回ったヤム・ブラン ズは3%上昇。同社は見通しも上方修正した。

S&P500種株価指数は前日比0.5%高い2163.75で終了。4日連続 で終値ベースの最高値を更新した。この日の上昇により、株価収益率 (PER、実績ベース)は2009年以降で初めて20倍に達した。ダウ工業 株30種平均は134.29ドル(0.7%)高い18506.41ドルで終えた。

ロバート・W・ベアード(ミルウォーキー)のチーフ投資ストラテ ジスト、ブルース・ビトルズ氏は「第2四半期の決算は弱い内容になる と広く予想されていたため、どのようなプラスの結果も株価押し上げに 寄与するだろう」と指摘。「マイナス金利は世界的な現象で、株式市場 に資金を流入させている。現地点で最も可能性が高そうな今後の行方は 上振れ方向だ」と述べた。

政府の財政支出を中央銀行が紙幣増刷で賄うヘリコプターマネー を、安倍晋三首相が検討しているのではないかとの臆測から、この日は 世界的な株高となった。イングランド銀行(英中央銀行)は政策金利据 え置きを発表するとともに、EU離脱決定後の英経済を支えるための措 置を8月に打ち出すことを示唆した。

S&P500種は過去12営業日で10度目の上げ相場となり、12日間の 上昇率は8.2%となった。英国民投票の結果判明後の下落局面では5.3% 下げていた。

世界最大の資産運用会社、米ブラックロックのローレンス・フィン ク最高経営責任者(CEO)は、今の株高は裏付けがない恐れがあり、 企業業績が改善しない限り長続きしないとの考えを示した。「予想より も良好な企業決算が発表されなければ、上昇は短命に終わるだろう」と 述べた。

JPモルガンの4-6月(第2四半期)利益は前年同期比で1.4% 減少したものの、調整後1株利益はアナリスト予想を上回った。S& P500種構成企業のアナリスト収益予想は5.7%減。実際にそうなれば5 四半期連続と、2009年以降で最長の減益決算となる。15日はウェルズ・ ファーゴやシティグループが決算を発表する。

ミラボー・セキュリティーズ(ジュネーブ)のシニア株式トレーダ ー、ジョン・プラサード氏は「中央銀行による下支えへの希望と期待が 世界的に広がり、企業収益も改善している。米国では利上げがなく、ド ルの上昇を抑え、株価の支援材料になるとの見方が今のコンセンサス だ。業績は今のところ良好だ」と語った。

S&P500種の10セクターのうち9セクターが上昇。素材株は1年 ぶりの高水準となった。航空株や鉄道株が資本財・サービス株指数を最 高値に押し上げた。一方、先週に最高値を付けた公益事業株は過去4日 で3度目の下げ。

原題:U.S. Stocks Rise to Fresh Highs Amid Earnings, Stimulus Optimism(抜粋)

◎米国債:下落、日英で追加刺激策の観測-RBSは一段安を警戒

14日の米国債は下落。日本や英国で景気刺激措置が講じられるとの 観測を背景に安全資産の需要が後退した。ロイヤル・バンク・オブ・ス コットランド(RBS)のストラテジストらは、一段安の展開を警告し た。

10年債利回りは今週に入って3日目の上昇。安倍晋三首相が経済対 策を強化するとの観測を背景に、国債や円などの安全資産が下落した。 イングランド銀行は政策金利の据え置きを発表するとともに、欧州連合 (EU)離脱決定後の英経済を支えるための措置を8月に打ち出すこと を示唆した。

6月23日の英国民投票でEU離脱派が勝利すると、世界の経済成長 が減速するとの懸念が広がり米国債は上昇を続けていたが騰勢を失いつ つある。

RBSセキュリティーズの米州戦略責任者、ジョン・ブリッグス氏 は「世界的な低利回りや緩和的な金融政策が当面は継続するとの見方 に、反射的に反応する投資家は多いようだ」と述べ、「しかし利回りが 再び上昇することはないと誰もが言うような状況では、その影響は行き 過ぎだ」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比6ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)上昇の1.54%。同年債(表面利率1.625%、2026年5月償 還)価格は18/32下げて100 26/32。

ブリッグス氏は米国債市場に「調整」が入り、月内に10年債利回り は最高で1.75%まで上昇するとみている。同氏は「どこかの時点で市場 参加者は米国債の買いをやめるだろう」と話す。

30年債利回りは8bp上昇して2.25%。

ブルームバーグがまとめた先物データによると、トレーダーは連邦 公開市場委員会(FOMC)が年内に利上げする確率を約37%織り込ん でいる。

原題:Treasuries Tumble on Stimulus Bets as RBS Sees Further Selloff抜粋)

◎NY金:反落、2週間ぶり安値-株価上昇で逃避需要が減退

14日のニューヨーク金先物相場は反落し、2週間ぶりの安値となっ た。予想を上回る企業決算を受けて株価が上昇し経済の底堅さが示唆さ れたことから、逃避先としての金の妙味が低下した。

ロング・リーフ・トレーディング・グループ(シカゴ)のチーフマ ーケットストラテジスト、ティム・エバンス氏は電話取材で、「株式相 場は高値を更新しており、この状況は今週に入ってずっと続いている」 と指摘。「そのため、マネーが安全市場から流出している」と述べた。

ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物8月限は前日 比0.8%安の1オンス=1332.20ドルで終了。一時は1320.40ドルと、日 中ベースでは6月30日以来の安値をつけた。銀先物9月限は0.4%下げ て20.322ドル。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のプラチナとパ ラジウムは上昇。

原題:Gold Drops to Two-Week Low as Equity Advance Curbs Haven Demand (抜粋)

◎NY原油:反発、世界的な株高を好感-ドル軟調も追い風

14日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インタ ーミディエート(WTI)先物が反発。世界的な株価上昇を好感したほ か、ドル相場の軟調で商品投資の妙味が高まった。

コンフルエンス・インベストメント・マネジメント(セントルイ ス)のチーフ・マーケット・ストラテジスト、ビル・オグレイディ氏は 「前日の売り浴びせの後とあり、反発の用意は整っていた」と指摘。 「原油が上昇した最大の理由は、あらゆる市場でリスクオンのセンチメ ントが広がっていることだ」と説明した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物8月限は前日 比93セント(2.08%)高い1バレル=45.68ドルで終了。ロンドン ICEのブレント9月限は1.11ドル(2.4%)上昇の47.37ドル。

原題:Oil Rises From Two-Month Low as Equities Gain, Dollar Slips(抜粋)

◎欧州株:上昇、予想上回る決算を好感-金利据え置きで英国株は下落

14日の欧州株式相場はここ6営業日で5日目の値上がりとなった。 企業決算が予想を上回ったことが買いにつながった。一方、英国株は下 落。イングランド銀行の金利据え置きが嫌気された。

指標のストックス欧州600指数は前日比0.8%高の338.5で終了。英 国の欧州連合(EU)離脱選択後の下げ幅は2.3%に縮小した。英EU 離脱選択が及ぼし得る影響を取り除くために主要中銀が刺激策を拡大す るとの楽観から、世界的に株価は下げを埋めてきた。

イングランド銀行は金融政策委員会(MPC)議事録で、MPCメ ンバーの大半が8月の金融緩和を想定していることを明らかにした。日 本銀行がヘリコプターマネー政策を採用するとの観測も出ている。ま た、原油相場が反発したことを受け、欧州の石油・ガス銘柄指数は昨 年11月4日以来の高水準に達した。

ING銀行の投資マネジャー、サイモン・フィールスマ氏(アムス テルダム在勤)は、「多数のファンドマネジャーが潤沢な現金を抱えて おり、相場上昇となれば買う必要がある」とし、「そのためこれまでで 最も嫌な上昇局面の一つとなる可能性がある。よくはないが、こうした 動きに加わらないことを正当化するほど悪くもない」と発言。「業績は 予想よりはるかに良く、英EU離脱をめぐる見方は悲観的過ぎたよう だ」と付け加えた。

英FTSE100指数は0.2%下落。1.1%上げる場面もあった。

欧州の銀行株指数はここ6営業日で5日目の値上がり。イタリアの ウニクレディとは6.6%上昇。スウェーデンのSEBは1.7%上げた。第 2四半期が15%増益と、アナリスト予想を上回った。ノルウェーの保険 会社ストアブランドは2.9%値上がり。第2四半期の保険収入と純利益 がいずれも増えた。

原題:European Stocks Rally on Earnings, BOE Move Spurs Losses in U.K.(抜粋)

◎欧州債:周辺国債、独債とのスプレッド縮小-金融緩和拡大の観測で

14日の欧州債市場ではドイツ国債のパフォーマンスが、高利回りの 周辺国債を下回った。主要中央銀行が金融緩和策を拡大するとの観測が 強まり、域内で最も安全とされる同国債の需要が後退した。

イタリアとスペインの10年債は下落したものの、ドイツ国債に対す る利回り上乗せ幅(スプレッド)はここ4カ月間で最小となった。

イングランド銀行(英中銀)は予想に反して利下げに踏み切らなか ったが、こうした流れが続いた。英国ではメイ首相誕生で欧州連合 (EU)離脱選択を発端とする政治不安が和らいだ。

クレディ・アグリコルCBIの金利戦略責任者、モヒト・クマール 氏(ロンドン在勤)は、「EU離脱選択以降のリスク志向がかなり改善 した」と指摘し、「それは中核国債と周辺国債、リスク資産に反映され ている。主要中銀が緩和を拡大するとの期待がある」と語った。

ロンドン時間午後5時現在、ドイツ10年債利回りはマイナ ス0.04%。先週は過去最低となるマイナス0.205%まで下げた。同国債 (ゼロクーポン、2026年8月償還)価格は100.40。

イタリア10年債利回りは1ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)上昇の1.22%。同年限のスペイン国債利回りは2bp上 げ1.17%で、ドイツ国債に対するスプレッドは121bpと、終値ベース で3月以来の小ささとなった。

原題:German Bonds Lag Behind Higher-Yielding Peers on Stimulus Wagers(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE