永久国債の発行にバーナンキ氏が言及-本田悦朗氏の4月訪米時に

  • 今週のバーナンキ-安倍会談も本田氏が種まく
  • 今春の分析会合にはクルーグマン氏やスティグリッツ氏が出席

安倍晋三首相と今週、官邸で会談したベン・バーナンキ前米連邦準備制度理事会(FRB)議長が、今春に訪米した前内閣官房参与の本田悦朗氏との間で、永久国債発行のアイデアを議論していたことが分かった。

  本田氏は4月1日にワシントンでバーナンキ氏と1時間ほど会談。その中でバーナンキ氏は、日本経済が再びデフレに戻るリスクを指摘。デフレ克服の最も強力な手段として比喩的に「ヘリコプターマネー」に言及し、政府が市場性のない永久国債を発行、これを日銀が直接全額引き受ける手法を挙げた。バーナンキ氏は、選択肢の一つとして述べたもので、今すぐ日銀がやるべきだとは言わなかったという。

  本田氏自身は、日銀の国債買い取りによる財政資金の供給は「広い意味でのヘリコプターマネー」だと認識していたものの、バーナンキ氏の考えを聞いて安倍首相に会ってもらいたいと要請したという。現在は駐スイス大使の本田氏が13日、電話インタビューに応じて明らかにした。

本田悦朗氏

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  安倍首相は12日に官邸でバーナンキ氏と会談、浜田宏一内閣官房参与も同席した。会合後、浜田氏が記者団に語ったところによると、バーナンキ氏は金融と財政でアベノミクスを続けるよう発言したが、ヘリコプターマネーは話題にならなかったという。菅義偉官房長官は同日の会見で、日銀に金融緩和の手段まだあると会合でバーナンキ氏が発言したことを紹介した。産経新聞は13日、ヘリコプターマネーが浮上していると報じたが、菅氏は会見で「検討している事実はない」と否定した。

アレルギー

  本田氏は電話インタビューで、ヘリコプターマネーは人によって定義は違うが、日本では「アレルギーが非常に強い」と指摘。ヘリコプターマネー的な政策について「はっきりと主張する一流の学者がいることを、総理に分かっていただけるとありがたいと思った」と語った。本田氏は4月にバーナンキ氏と会ったあと、安倍首相に対し「財政、金融を一緒に考えることによってアベノミクスを強化することが必要ではないかと申し上げた」と語った。

  本田氏は2014年11月に、ノーベル経済学賞受賞者であるポール・クルーグマン氏と安倍首相の会談を設定。クルーグマン氏は15年10月からの消費増税延期を促し、首相はその助言通り延期を決めた。今春も、内外の有識者を呼んで国際金融経済分析会合を断続的に開き、やはりノーベル賞受賞者のジョセフ・スティグリッツ氏ら著名な有識者を招待、クルーグマン氏も出席した。

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