英メイ新首相が就任、EU離脱派のジョンソン氏を外相に起用

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  • ダウニング街の首相官邸前で不公正是正を約束
  • 新財務相にハモンド外相、EU離脱担当相にデービス議員

英国の新首相にキャメロン政権で内相を務めたテリーザ・メイ氏が13日に就任、欧州連合(EU)からの離脱交渉に当たる主要閣僚を任命した。メイ新首相は就任演説で、より公正な社会を築き、「全ての市民」が恩恵を得られるようにすると約束した。

  メイ氏はEU離脱が選択された国民投票から3週間足らずで、首相の座をキャメロン氏から引き継ぐこととなった。新首相は外交面では英国は「大胆で積極的な新たな役割」を担うとし、内政では「著しい不公正」を解消すると明言。先月の国民投票を教訓とし、英国の選挙の勝敗を左右してきた政治的中道路線を強調する内容とした。

メイ英首相夫妻(首相官邸前で)

Photographer: Simon Dawson/Bloomberg

  メイ首相はキャメロン前政権で主要政策を担ったオズボーン財務相を再任せず、フィリップ・ハモンド外相を新財務相に横滑りさせた。EU離脱キャンペーンを主導したリーダーらを離脱交渉担当ポストに抜てき、新外相にボリス・ジョンソン前ロンドン市長、新設のEU離脱担当相にデービッド・デービス下院議員、国際貿易担当相にリアム・フォックス元国防相をそれぞれ起用した。

  故マーガレット・サッチャー氏以来2人目の英首相となったメイ氏には英国のEU離脱交渉と、エコノミストらが予想するリセッション(景気後退)という2つの難題が待ち構えている。英EU離脱の見通しが市場と世界の産業界を揺るがす中、ポンドはこの3週間で11%下落。消費者信頼感は1994年以来の大幅低下となり、ボーダフォンやJPモルガン・チェースなどの企業は英国からの雇用移転を検討していることを明らかにしている。

  離脱派のデービス、フォックス両氏を新設部署のトップに据えたことは、EU離脱が政府の最優先課題となることを示唆する。

ジョンソン新外相

Photographer: Chris Ratcliffe/Bloomberg

  ロンドン大学クイーン・メアリー校のティム・ベール教授(政治学)は、デービス氏らの起用でも「メイ首相がEU離脱に関する責任を免れることはないが、首相が汚れ役として彼らを選んだことは少なくとも確かだ」と指摘した。

  事情に詳しい関係者によれば、キャメロン政権で財務相を務め、キャメロン首相と共に政権を支えたオズボーン氏は新政権では必要とされていないと告げられたという。離脱派への度が過ぎた攻撃によって、同氏は多くの保守党議員の反感を買っていた。

  メイ首相はダウニング街の首相官邸前で最初の演説を行い、内政を重視する意向を表明。一般市民の生活を権力層の理解を超える「はるかに厳しい」状況に置く原因となっている「著しい不公正」の是正に新政権が取り組むと言明した。また、「権力層ではなく一般市民」に配慮して政策決定を行うと語った。また、「国民投票の後、われわれはこの国の歴史上、重要な時期を迎えている」とした上で、「英国は大変革の時期に直面している。EU脱退に当たり、われわれは世界において大胆かつ積極的な新たな役割を構築するだろう。また英国を少数の特権階級ではなく、国民一人一人に奉仕する国にするつもりだ」と語った。

  メイ首相が初演説で重視したのは英EU離脱でも国内経済でもなく、グローバル化に伴い生活を脅かされ、政治家への不満を募らせている一般市民だった。

原題:May to Fight ‘Burning Injustice’ as New U.K. Prime Minister (1)(抜粋)

(3段落以降に新閣僚の顔ぶれなどを追加して更新しました.)
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