債券下落、永久債発行報道や5年入札倍率低下を嫌気-超長期中心売り

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  • 先物は17銭安の153円46銭で終了、新発20年債利回り0.10%まで上昇
  • 5年債入札結果:応札倍率は3.45倍に低下、最低価格は予想と一致

債券相場が下落。この日実施の5年債入札で応札倍率が前回から低下したことに加えて、永久国債の発行をめぐる報道を受けて需給悪化懸念が広がり、超長期ゾーンを中心に売りが優勢となった。

  14日の長期国債先物市場で中心限月9月物は、前日比3銭高の153円66銭で取引を開始し、一時153円71銭まで上昇した。午後に入り、5年入札結果の発表後に水準を切り下げ、永久国債に関する報道を受けて一段安となり、結局は17銭安の153円46銭と、この日の安値で引けた。

  ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは、「永久国債の報道を受けて、為替が円安に反応したことが債券の重し」と指摘した。永久国債については、「低金利の時に発行すれば利払いを小さく抑えられ、財政への負荷が小さく済む。日銀が保有するという話ではないか。通常は償還オプションが付いたモノが多い」と述べた。

  安倍晋三首相と今週、官邸で会談したベン・バーナンキ前米連邦準備制度理事会(FRB)議長が、今春に訪米した前内閣官房参与の本田悦朗氏との間で、永久国債発行のアイデアを議論していたことが分かった

  SMBC日興証券の末沢豪謙金融財政アナリストは、永久国債について、「ずっと返済しなくて良いというのは間違い。実際問題として実現するとは考えにくい」と指摘。「国債格下げのリスクが高まるほか、こんなものを出さなくてはならないほど駄目なのかという印象から消費者心理に悪影響が出る恐れもある」と語った。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の343回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より0.5ベーシスポイント(bp)高いマイナス0.28%で開始し、その後マイナス0.26%に上昇した。新発5年物の128回債利回りは0.5bp低いマイナス0.36%で開始し、マイナス0.345%まで売られている。新発20年物の157回債利回りは一時4bp高い0.10%と6月27日以来の高水準を付けた。新発30年物の51回債利回りは2bp高い0.14%を付け、新発40年物の9回債利回りは0.17%と6月23日以来の水準に上昇した。

5年債入札

  財務省が午後発表した表面利率0.1%の5年利付国債の入札結果によると、最低落札価格は102円31銭と予想と一致した。小さければ好調なテール(平均と最低落札価格の差)は2銭と前回1銭から拡大。投資家需要を反映する応札倍率は3.45倍と、昨年10月以来の低水準となった。一方、平均落札利回りがマイナス0.365%、最高落札利回りがマイナス0.361%と、ともに過去最低を更新した。

  メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジストは、5年債入札について、「高値水準で一部に懸念もあったが、それなりに無難な結果。海外勢の買いも少し減ってきているので、応札倍率低下につながっているのかもしれない」と説明した。

  13日の米国債相場は反発。米10年債利回りは前日比4bp低下の1.47%程度となった。ドイツが同日実施した10年債入札で平均落札利回りがマイナスとなるなど、欧州の国債利回り低下を受けて買いが優勢となった。一方、この日の東京株式相場は上昇し、日経平均株価は同1%高の1万6385円89銭で引けた。東京外為市場では円が対ドルで1ドル=105円台後半まで上昇した。

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