一銭も運用せずとも世界最強のストックピッカー、中国政策にも影響力

  • 数兆ドルの資金運用の世界で、指数算出会社の影響力が増大
  • MSCIの影響力、世界指数への採用目指す中国の取り組みにも反映

世界の株式市場における最強のプレーヤーを考える際、MSCIは普通、思い浮かぶ名前ではない。

  株価指数を算出・提供するMSCIは、ブラックロックのような数兆ドルに上る運用資産を持たない上に、モルガン・スタンレーのようなファイナンシャルアドバイザー部隊やUBSグループのように語るべき歴史もない。

  MSCIの時価総額77億ドル(約8040億円)は、世界の金融機関上位300社に仲間入りするには小さ過ぎる。従業員数は約2700人で、米国の大手ファンド運用会社フランクリン・リソーシズに比べれば色あせて見える。

  それでも、パッシブ運用の人気急上昇のおかげでMSCIに加え、FTSEラッセルやS&Pダウ・ジョーンズ・インデックスといった競合会社が静かに資産運用大手に取って代わり、世界の株式投資の流れに大きな影響を与える権威を持ちつつある。

  調査会社モーニングスターによると、指数算出会社が決めた証券や国ごとの資産配分に類似する運用を行っている米国と欧州、アジアの株式ファンドの平均的割合は過去8年で倍増し約33%に上っている。

  こうした影響力の増大は今年、中国で鮮明になった。中国当局はMSCIの世界株指数への組み入れを期待して株式市場で広範囲にわたる改革をある程度実施したものの、中国本土株の採用は結局、先送りされた。逆にMSCIは、中国共産党の政策決定に影響力を持つ世界で数少ない企業の1つとしての地位を固めた。

  エクイティル・インベストメンツのジョージ・クーパー最高投資責任者(CIO、ロンドン在勤)は、指数算出会社には「ものすごい力がある。ファンドマネジャーや投資家はこれらの指数に隷属的に従っている」と指摘した。

原題:The World’s Most Powerful Stock Pickers Don’t Manage a Penny(抜粋)

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