7月12日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:円が続落、2日間の対ドル下落幅は14年以来で最大

12日のニューヨーク外国為替市場では円が続落し、ドルに対する2 日間の下げは2014年11月以降で最大となった。安倍晋三首相が策定を指 示した経済政策の詳細を見極めようとする動きが強まる中、円の売りが 優勢となった。

円は主要31通貨全てに対し1%超の値下がり。週末の参院選での与 党勝利を受け、安倍首相は内需下支えに向けた経済対策を実施する考え を示した。首相は12日、月内をめどに経済対策の取りまとめに向けた準 備に入るよう石原伸晃経済再生担当相らに指示した。この日はまた世界 の株式相場が上昇し、英国の欧州連合(EU)離脱選択をきっかけとし た下げを埋める展開となった。

ソシエテ・ジェネラルのグローバル・ストラテジスト、キット・ジ ャックス氏はブルームバーグテレビジョンのインタビューで「日本の投 資家の間で利回り追求の動きが広がる中、円は劣勢に立たされている」 とし、「円の下げはもう少し進む可能性がある。ポジションのウエート や市場のムードが明るいことがその理由だ」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、円は対ドルで前日比1.8%安の1 ドル=104円69銭。前日は2.2%下げていた。対ユーロではこの日1.9% 下落し、1ユーロ=115円80銭。ポンドに対しては3.6%下げた。

経済対策への期待から12日の東京株式相場は続伸し、日経平均株価 は2.5%上昇。前日は4%上げていた。米国ではこの日、S&P500種株 価指数が2日連続で過去最高値を更新した。

カナディアン・インペリアル・バンク・オブ・コマース (CIBC)の為替戦略責任者、ジェレミー・ストレッチ氏(ロンドン 在勤)は「リスク志向が上昇傾向にあり、結果として高利回り通貨が上 げ、円を含む逃避先の通貨は下げている」と分析。「参院選を終え、財 政投入による追加経済対策への期待感が高まっている状況だ」と続け た。

日本銀行の黒田東彦総裁は、必要に応じてちゅうちょなく追加緩和 を行う用意があるとの姿勢を繰り返し表明している。

ハーモニック・キャピタル・パートナーズの投資パートナー、サミ ール・シェルデンカー氏は「円のショートが、当社が最も確信を持って 推奨する取引だ」とし、「政策当局は強い円を望んでいない。円押し下 げのためにできる措置は全て講じるだろう」と続けた。

原題:Yen Falls in Biggest 2-Day Drop Since 2014 on Stimulus Signals(抜粋)

◎米国株:3日続伸、ダウ平均も最高値-アルコア決算で先行き楽観

12日の米株式相場は3日続伸。前日のS&P500種株価指数に続 き、ダウ工業株30種平均も最高値を更新した。原油相場の上昇が材料視 されたほか、アルコア決算が企業業績への楽観を強めた。

決算発表の先陣を切ったアルコアは2カ月ぶり高値。同社の利益は アナリスト予想を上回った。今週はブラックロックやJPモルガン・チ ェース、シティグループも決算を発表する。

商品関連やエネルギー銘柄、輸送株の上げが目立った。アメリカン 航空は11%上昇。原油相場が3カ月ぶりの大幅高となり、石油・天然ガ ス株は昨年11月以来の高値を付けた。フリーポート・マクモランは11% 高。

S&P500種は前日比0.7%高い2152.14で終了。2日連続で最高値 を更新した。ダウ工業株30種平均は120.74ドル(0.7%)高い18347.67 ドルで終えた。昨年付けた取引時間中の最高値も更新した。ナスダック 総合指数は0.7%上昇して昨年12月30日以来の高水準。

ジェフリーズのチーフ市場ストラテジスト、デービッド・ザーボス 氏は「市場参加者は主要中央銀行がかなり早急に市場を支えるとみてい るため、株式市場に戻りつつある。それが英国の欧州連合(EU)離脱 選択後に起こっていることだ」と述べた。

S&P500種はブルームバーグがまとめたストラテジスト調査の年 末時点の予想平均値である2152を上回った。楽観的な見通しを同指数が 実際に上回ったのは2014年11月以来初めて。

ザーボス氏は「量的緩和の効果を確信している。マジックのように 機能すると思うが、国債利回りが過去最低を付ける中で株価が最高値を 更新していることを少し憂慮している。通常、国債は株式に対するヘッ ジの役割を果たすものだ」と述べた。

今週、投資家の目は企業収益に移る。S&P500種構成企業の第2 四半期決算に対するアナリスト予想は5.7%の減益となっている。実際 にそうなれば、2009年以降で最長の5四半期連続の減益決算となる。銀 行の収益は11%減が予想されている。

S&P500種の業種別では、年初からの上昇が目立っている公益事業株 と通信サービス株がこの日は下げた。

原題:Dow Average Joins S&P 500 at Record as Energy Shares, Alcoa Jump(抜粋)

◎米国債:続落、入札の需要弱く-記録的上昇後で買い手は尻込み

12日の米国債相場は続落し、2営業日での下げ幅は今年最大。今週 2度目の国債入札は弱い需要となった。先週の相場上昇で10年債利回り は過去最低を付けていた。

利回りは月初来の高水準に上昇。10年債入札(200億ドル)で は2009年以降で最も低い需要にとどまった。前日の3年債入札でも需要 は7年ぶりの低水準となり、年限を問わず米国債に売りが出た。

先週の利回りは過去最低を更新。米金融政策当局が利上げを見送る との観測や投資家が低利回りの欧州債や日本国債に代わって米国債に買 いを求めたことから上昇していた。ブルームバーグ米国債指数による と、年初来のリターンは5.8%。

BMOキャピタル・マーケッツの債券ストラテジスト、アーロン・ コーリ氏(ニューヨーク在勤)は「初めてみる水準に買い手がショック を受けることはある」と述べ、「先週だったらこの水準でも積極的な買 いが入っていた」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは8ベーシスポイン ト(bp、1bp=0.01%)上昇の1.51%。前日からの利回りの上げ は15bp。ここ2日間の相場は2015年12月以降で最もきつい下げとなっ た。10年債(表面利率1.625%、2026年5月償還)価格は23/32下げ て101 1/32。

この日の入札結果によると、最高落札利回りは1.516%と、2012年 7月以来の低水準。投資家の需要を測る応札倍率は2.33倍と、2009年3 月以降で最も低かった。

この日の30年債利回りの上昇幅は8bpと、2月以降で最大だっ た。

イートン・バンスのキャサリン・ガフニー氏は、いつかの時点で 「米国債市場では巻き戻し」が起きるだろうと述べ、「利回りを求めて 誰もが米国債に飛びつき、時を見計らって抜け出すのは非常に難しいだ ろう」と続けた。

原題:Treasuries Plunge on Auction ‘Sticker Shock’ After Record Rally(抜粋)

◎NY金:7週間ぶり大幅安、株式相場の上昇や成長懸念の緩和で

12日のニューヨーク金先物相場は続落。7週間ぶりの大幅安となっ た。政策当局者が成長てこ入れに向け行動するとの観測から株式相場が 上昇、英国の欧州連合(EU)離脱決定を受けた世界経済への懸念が和 らいだ。

RBCウェルス・マネジメントのマネジングディレクター、ジョー ジ・ジロ氏(ニューヨーク在勤)は電話インタビューで、「最高値を更 新した株式市場に誰もが注目を続ける」と指摘。「金反落の環境が整っ ている」と述べた。

ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物8月限は前日 比1.6%安の1オンス=1335.30ドルで終了。5月24日以来の大幅下落と なった。これで過去2週間で最長の4営業日続落。銀先物9月限 は0.7%下げて20.171ドル。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の プラチナは値下がり、パラジウムは上昇。

原題:Gold Falls Most in 7 Weeks as Stocks Rise, Growth Concerns Ease(抜粋)

◎NY原油:急反発、3カ月ぶり大幅高-株高・ドル安で

12日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インタ ーミディエート(WTI)先物が急反発し、過去3カ月で最大の値上が り。世界的に株式相場が上昇し、英国民投票後の下げを埋めたほか、ド ルの下落で商品の投資妙味が高まった。

IAFアドバイザーズ(ヒューストン)の調査ディレクター、 カ イル・クーパー氏は「株式は最高値を更新し、ドルは下げている。この 2つが主な要因だ」と指摘。「原油とドルは通常、反対の方向に動く。 この関係は今、通常よりも強くなった」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物8月限は前日 比2.04ドル(4.56%)高い1バレル=46.80ドルで終了。4月8日以降 で最大の値上がり。ロンドンICEのブレント9月限は2.22ドル (4.8%)上昇の48.47ドル。

原題:Oil Climbs Most in Three Months Amid Equity Gains, Weaker Dollar(抜粋)

◎欧州株:上昇、英EU離脱選択以後の下げ幅削る-刺激策への期待で

12日の欧州株式相場は上昇。指標のストックス欧州600指数は英国 による欧州連合(EU)離脱選択後の高値を付けた。ダイムラーの業績 が予想を上回ったことを手掛かりに自動車株が買われた。安倍晋三首相 が経済対策の策定を指示したことも注目された。

ストックス600指数は前日比1.1%高の336.26で終了。英EU離脱選 択以後の下げ幅は10ポイントに縮まった。業種別19指数のうち16指数が 値上がり。イタリアとスペイン、フランスの株価指数も大きな上げを示 した。英EU離脱に伴う影響を乗り切るのに企業業績は十分力強いとの 見方が強まったことが背景。

決算シーズンが好調な滑り出しとなったほか、世界の主要中央銀行 が英国発の混乱を拭い去るために金融政策を緩和するとの楽観も相場を 後押しした。イングランド銀行(英中央銀行)が今週利下げに踏み切る 可能性があり、欧米の主要中銀のハト派的姿勢が強まりそうだ。

ノッツ・ストゥッキ(ジュネーブ)のファンドマネジャー、ピエー ル・ムートン氏は「英EU離脱選択による影響は短期的な性格が強かっ た」とし、「ファンダメンタルに目を向ければ経済指標は好調で、これ がセンチメントを改善している。中銀が利上げしないのは分かってお り、パニックに備えた取り決めもある。これは既に十分な材料だ」と語 った。

英国では次期首相を争う対抗候補の撤退でメイ内相が近く首相に就 任する運びとなった。企業対策を打ち出す新政権の陣容が注目されてい る。

ダイムラーは4.4%値上がり。4-6月(第2四半期)の暫定決算 で、10億ユーロ強を一時費用として計上したものの、利益は市場予想を 上回った。イタリアの銀行を中心に銀行株指数は上昇し、先月23日以来 の高水準に達した。

原題:Europe Stocks Rise as Earnings, Stimulus Trim Post-Brexit Losses(抜粋)

◎欧州債:ドイツ国債が続落-英国の先行き不透明感後退で需要が減少

12日の欧州債市場ではドイツ国債が続落。英国の政治情勢で不透明 感が後退したほか、世界的に金融刺激策の増強が見込まれることから、 域内で最も安全とされるドイツ国債の需要が減少した。

欧州債の指標とされるドイツ10年債の利回りは約1週間ぶりの高水 準となった。英国でメイ内相の速やかな首相就任が確実となり、先月23 日の国民投票以来の政治的な緊張が和らいだ。また、イングランド銀行 (英中央銀行)だけでなく、日本銀行と欧州中央銀行(ECB)が景気 支援策を打ち出すとの観測も強まっている。

クレディ・アグリコルCIBの金利ストラテジスト、オーランド・ グリーン氏(ロンドン在勤)は「幾つかの要因が相まって市場に安心感 を与えている」とし、「英国の政治面はやや確実性が増した」と指摘。 「政策担当者が信頼感を高めようと準備していると市場ではみられてい る」と付け加えた。

ロンドン時間午後4時35分現在、ドイツ10年債利回りは前日比7ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇のマイナス0.10%。一時 はマイナス0.09%まで上昇した。6日にはマイナス0.205%まで下げ、 過去最低を記録していた。同国債(表面利率0.5%、2026年2月償還) 価格はこの日、0.71下げ105.755。

フランス10年債利回りは7bp上げ0.19%。同年限のスペイン国債 利回りは2bp上昇し1.17%、イタリア国債利回りは2bp上げ て1.23%となった。

原題:German Bonds Fall as U.K. Political Clarity Reduces Haven Demand(抜粋)

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