ウォール街は開き直りモード-米国債利回り予想、外し過ぎて修正の嵐

  • 米10年債利回りの過去最低更新でエコノミストら困惑
  • 米国債相場がここまで上昇するとは、ほとんど誰も予想できず

最初の予想が外れれば、何度でも修正すればいい-。

  これが、ウォール街で今年の債券相場を予想する担当者らの決まり文句になってしまった。スティーブン・スタンレー氏は自身がいかにいらいらさせられてきたかを自覚している。アマースト・ピアポイント・セキュリティーズのチーフエコノミストである同氏は、米10年債利回りの見通しを3.6%から2.2%へと、既に5回も引き下げている。

  「今年の債券利回りを予想するのに、ほぼ万策尽きた」と、スタンレー氏は話した。

  同氏だけではない。米失業率が金融危機時の半分程度の水準に低下したのを目の当たりにしたストラテジストらは2016年に入るに当たり、国内経済データに注目して米国債利回りは上昇すると予想した。また、インフレ率が米金融当局が目標とする2%に近づくなら、年内に最大4回の利上げはあると踏んだ。

  だが、そこにはより大きな視点が欠けていた。世界の経済や地政学上の予想外の展開で、米金融当局は見通しを2回下方修正。利回りは急低下し、ドイツ銀行やJPモルガン・チェース、野村ホールディングスなどが年央までに何度も予想を引き下げた。

  米10年債利回りの昨年12月末の水準は2.27%。同月のアナリスト予想中央値は16年末までに2.78%に上昇するとの内容だった。ブルームバーグ・ボンド・トレーダーのデータによれば、利回りはニューヨーク時間今月11日午後5時現在で1.43%。8日には終値ベースで過去最低の1.36%となった。ブルームバーグがエコノミスト74人を対象に実施した最新調査での予想中央値は年末までに2.10%への上昇。

  10年までさかのぼるブルームバーグのデータによると、エコノミストの利回り予想が年央で外れた度合いは今年が最大。同データによると、今月8日までに、ウォール街では少なくとも7社が年末の米10年債利回り見通しを年初来で3回以上変更。JPモルガンは2.75%から1.7%に、クレディ・スイス・グループは2.95%から1.4%へと、それぞれ4回修正した。BMOキャピタル・マーケッツとウェルズ・ファーゴも4回下方修正した。

原題:For Wall Street Bond Strategists, There’s Wrong and Less Wrong(抜粋)
  

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