「漂流」続く世界経済、緩慢ながらもマイナス成長は辛うじて回避

  • 英国のEU離脱でも2-3%の成長経路からの逸脱見込まれず
  • 不安を抱えた消費者と企業は支出を抑え、景気回復の勢いそぐ

「漂流経済」と呼ぶのがふさわしいのかもしれない。世界経済の現状のことだ。辛うじてプラス圏にあるが、大幅加速は望めそうにない。

  各国・地域の中央銀行による潤沢な流動性供給の結果、世界経済は2010年以降、さまざまな危険を回避して、緩慢ながらも堅調なペースで成長してきた。英国の欧州連合(EU)離脱選択の後も、ゆっくりとではあるがマイナス圏に沈むことなく、向こう1年間もこうした成長軌道をたどると見込まれる。

  JPモルガン・チェースのグローバル経済担当ディレクター、デービッド・ヘンスリー氏(ニューヨーク在勤)は、英国のEU離脱の結果、世界の成長率は「0.25ポイント程度押し下げられるかもしれない」と指摘。「それでも近年の2-3%の成長経路を逸脱するほどではないだろう」との見方を示した。

  大恐慌以降で最も深刻なリセッション(景気後退)を経験して、危機の傷痕が癒えない消費者や企業の不安は緩やかな景気拡大の下でも解消されていない。消費者と企業はいずれも支出を抑制し、それが景気回復の勢いをそぐ形となっている。

  元米金融当局者で現在はドイツ銀行証券のチーフエコノミストを務めるピーター・フーパー氏(ニューヨーク在勤)も、「期待外れの景気拡大で、漂流しているだけだ」としながらも、米国を中心に失業を減らすには十分なペースだと指摘した。

  問題は、現在のようにさえない状況がいつまで続くかだ。中銀は多額の政府債を買い入れ、一部はマイナス金利政策を導入するなど、金融政策ができることは限界に近づいている。

原題:Nowhere Fast: Drifting World Economy Skirts Worst But Still Lags(抜粋)

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