日本株連騰で1万6000円回復、対米出遅れと政策期待-金融上げけん引

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12日の東京株式相場は連騰し、日経平均株価はほぼ半月ぶりに1万6000円台を回復。経済の先行き楽観から最高値を更新した米国株に対する出遅れ感、国内の政策期待が相場を押し上げた。銀行やその他金融、証券、保険など金融株中心に買われ、不動産や鉄鋼株なども高い。

  TOPIXの終値は前日比29.94ポイント(2.4%)高の1285.73、日経平均株価は386円83銭(2.5%)高の1万6095円65銭。終値での1万6000円乗せは、英国国民投票の結果を受け急落する直前の6月23日以来。

  みずほ投信投資顧問の青木隆株式運用部長は、「過去2日間の大幅高の背景は海外対比での出遅れ感や参院選後の経済対策期待。実現が不確かな日銀の追加緩和まで織り込んでしまった可能性もある」と指摘、投資家のリスクオンが急ピッチで広がった分、上昇は程なく一服し、今後は月末に発表が相次ぐ四半期決算を見極める展開になる、と話した。
 
  11日の米国株は雇用統計好感の流れが続き、S&P500種株価指数が過去最高値を更新。一方、リスク回避姿勢の後退から米10年債利回りは過去最低水準から上昇した。同日時点の年初来騰落率は、米S&P500指数のプラス4.6%に対し、TOPIXはマイナス19%と日本株のアンダーパフォームが顕著だった。

  安倍晋三首相が11日の会見で、整備新幹線の建設加速も含め内需下支えに向けた経済対策を実施する考えを示し、参院選での与党勝利後の政策期待も継続。為替市場ではドル高・円安が進み、一時は1ドル=103円20銭台を付けた。前日の日本株終値時点は101円47銭。東海東京調査センターの梅田俊一チーフマーケットアナリストは、経済対策の規模が従来言われた5ー10兆円ではなく、「与党圧勝で10兆円超えの可能性が高まったことはポジティブ」とし、需要効果を生みやすい公共事業に前向きな点も「円高のマイナス分を幾分和らげる効果がある」とみる。

  また、米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ前議長が来日し、日本銀行の黒田東彦総裁と昼食を取り、午後3時からは安倍首相と官邸で会談することも明らかになった。第一生命経済研究所の藤代宏一主任エコノミストは、物価目標の後ろ倒しを繰り返す日銀や政府に「追加緩和と財政出動の組み合わせを勧める可能性はある」との見方を示した。

  この日の日本株はリスク資産見直しの動きが続き、日経平均は一時528円高の1万6237円まで上げ幅を広げる場面があった。ただ、急ピッチの上昇に対する警戒、心理的節目の1万6000円を回復したこともあり、午後後半にかけてはやや伸び悩んだ。

  東証1部33業種はその他製品、その他金融、銀行、証券・商品先物取引、保険、不動産、鉄鋼、空運、ゴム製品、非鉄金属など32業種が上げ、食料品の1業種のみ下落。東証1部の売買高は26億543万株、売買代金は2兆7743億円で、代金も6月24日以来の多さ。値上がり銘柄数は1616、値下がりは282。

  売買代金上位では、メリルリンチ日本証券が目標株価を上げた任天堂が連騰、いすゞ自動車と次世代ピックアップトラックのOEM供給で合意したマツダも急伸した。日本電産や村田製作所などの電子部品株、三菱UFJフィナンシャル・グループや三井不動産、野村ホールディングス、オリックス、三井住友トラスト・ホールディングス、第一生命保険も高い。半面、四半期減益のローソンは安く、韓国検察による持ち株会社への家宅捜査報道を受けたネクソンが急反落。明治ホールディングスや大塚ホールディングス、ファミリーマートも下げた。

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