アベノミクスの成果しぼむ日本、再びバーナンキ氏に聞く

  • 日銀の次回政策決定会合は28、29両日
  • 安倍首相は経済対策を準備中

次回の金融政策決定会合まで3週間足らずとなった11日、日本銀行の黒田東彦総裁はバーナンキ前米連邦準備制度理事会(FRB)議長と会談した。

  日銀は会談内容について声明を発表しなかった。内閣府もバーナンキ氏が12日に安倍晋三首相と会談するかどうかの確認を避けた。

  バーナンキ氏が、日本が直面する問題についての見解と政策の選択肢を示すのは初めてではない。デフレを克服し景気にてこ入れするため金融と財政政策の協調強化を呼び掛けた2003年の講演はよく知られている。

  13年前のバーナンキ氏と日本当局者の会談の場には、黒田総裁と安倍首相もいた。今回のバーナンキ氏との会談は日銀にとって難しい時期に当たる。

  2013年に打ち出した金融緩和で円押し下げに成功し企業業績回復に寄与した黒田総裁だが、今年に入って導入したマイナス金利は銀行収益に打撃を与え、信頼感を損ねるとの批判を呼んだ。国債の大量購入は債券市場の機能を損なうとの声も、市場参加者や元日銀当局者から上がっている。

  黒田総裁をはじめ日銀当局者が新たな景気刺激措置を模索している兆候はまだない。一方、安倍首相は年内に経済対策をまとめる方針だが、規模や財源など詳細は明らかにしていない。

  ブルッキングズ研究所の研究員も務めるバーナンキ氏は、4月に同研究所のブログで「マネタリーファイナンスによる財政政策」は米国が緊急事態の際には可能性を排除すべきでないと論じた。

  「総需要の大幅な不足や、金融政策の選択肢が尽きた場合、国債発行による財政出動に議会が反対する場合など、何らかの極端な状況の下ではそのような政策が最善の選択肢となることもあり得る。可能性を排除するのは拙速だ」と記述した。

  東海東京調査センターの武藤弘明チーフエコノミストは、バーナンキ氏の東京訪問は日銀追加緩和の観測を強めると指摘。日銀が7月会合で何もしないことは難しいだろうと述べ、マイナス金利の一段の引き下げや上場投資信託(ETF)の購入拡大などが考えられるとの見方を示した。

原題:Japan Turns Again to Bernanke, as Fruits of Abenomics Wither(抜粋)

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