円高・ポンド安に賭けたヘッジファンド、作戦奏功で維持-英投票後も

  • ダイモンのファンドはドルと円の上昇を見込んだ投資が大当たり
  • ポンド安に賭け、英EU離脱決定が判明した日の成績はプラス4%

運用成績好調なヘッジファンド、ダイモン・アジア・カレンシー・バリュー・ファンドが円上昇とポンド下落に引き続き賭けている。英国民投票で欧州連合(EU)離脱が決定後、同ファンドはこのポジションで利益を得た。

  英投票結果が判明した6月24日の運用成績はプラス4%前後となったもようで、今年1-6月はレバレッジ利用が比較的少ない投資家でプラス13%だったと、ダイモン・アジア・キャピタル(シンガポール)のディストリビューション担当責任者、ジェラルド・チャン氏が説明した。資金を借り入れるレバレッジを多用する投資家では1-6月のリターンがプラス35%に達したという。

ダイモンは円高・ポンド安に引き続き賭ける

Photographer: Jason Alden/Bloomberg

  ダイモンの同ファンドはレバレッジ分も含めて4億2500万ドル(約428億円)を運用するが、政府・中央銀行の介入や英国民投票のような政治イベントに翻弄され苦戦する大手ヘッジファンドが多い中で、同種ファンドを上回る成績を残してきた。通貨や株式、債券、商品に投資するマクロファンドは急激なトレンド転換や行き過ぎた相場変動に悩まされ、今年これまでにブレバン・ハワード・アセット・マネジメントやディスカバリー・キャピタル・マネジメント、オムニ・パートナーズなどが運用するファンドは成績がマイナスとなっている。

  チャン氏によれば、主要国・経済で最も状況が良いのは米国で、世界的な景気下降局面ではドルや金といった安全資産に資金が引き続き流入する。円は日本銀行に緩和拡大の余地がほとんどないため、上昇するとみている。

  同氏は「当社の中核的なテーマの一つが韓国ウォンや台湾ドル、シンガポール・ドルといったアジアの主要通貨をショートとし、これらの通貨バスケットに対してドルと金、円をロングとすることだ」とし、アジアの通貨は中国人民元の緩やかな値下がりから悪影響を受けると説明。オーストラリア・ドルやニュージーランド・ドルといった資源通貨もショートとするほか、ポンドもそうしていると語った。

  ダイモンのファンドは英国民投票を前に対ドルでポンドが下落するとの弱気な見方をとっていた。EU離脱が支持される確率は50%あるとみていたが、市場ではEU残留が選択される確率を90%と見込んでいたと語ったチャン氏は、ポンド売りに賭けるオプションを購入・保有したことで同ファンドは離脱決定で利益を得たとも付け加えた。今後は短期的な不透明感で英国から資本が流出し、同国への投資が遅れるとみる。7月半ばまでに1回の英利下げを予想。1ポンド=1.25ドルへのポンド値下がりを見込んでいる。

原題:Dymon Hedge Fund Positioned on Right Side of Brexit Tops Peers(抜粋)

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