米国債投資家の皆さん「ジャパニフィケーションの世界にご招待」

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  • 三菱UFJ国際投信は7月にも米10年債利回りが1%を付けると予測
  • 6月の米雇用の大幅増加でも米国債相場の上昇に歯止めかからず

20年にわたる景気低迷で経験を積んだ日本最大の債券強気派によれば、日本国債利回りのマイナス圏への急低下は、米国債相場の記録的上昇の可能性を暗示しているという。

  三菱UFJ国際投信は、米10年債利回りが今月にも1%に低下すると予想。三井住友トラスト・アセットマネジメントは2017年にその可能性があると指摘。みずほ投信投資顧問は同利回りがさらに低下する可能性があるとみる。米国の住宅ローンや新興国のドル建て債などさまざまな金利の指標となる米10年債利回りは先週、1.318%と前例のない水準に急低下した。6月の米雇用者数の大幅増加でも米国債相場の上昇に歯止めはかからなかった。

米国も日本の高齢化と同じトレンドへ

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  
  三菱UFJ国際投信の下村英生チーフファンドマネジャーは米国債について、「ジャパニフィケーション(日本化)の世界へようこそ」と述べ、1%への利回り低下は不可避との見方を示した。

  債券分野で20年の経験を持つ下村氏は10年以来、米国債に強気な姿勢だ。人口の高齢化や低コスト生産者の攻勢でインフレが抑制されることを背景に、日本と同じトレンドが米国にも見られると指摘。福祉コストの増加で財政刺激の余地が限られ、金融当局は経済への資金供給を促される一方、銀行は資金を融資に回さず債券に待機させるという。

  世界銀行の推定によれば、日本の人口に占める65歳超の割合は26%なのに対し、米国では15%。米国勢調査局によると、米国のベビーブーマー世代は11年から65歳になり始めており、65歳以上は50年には12年の水準の2倍近くに上る見通し。

  みずほ投信投資顧問の伊藤祐介シニアファンドマネジャーは、日本の経験から見て利回りの低下余地に限界はないと指摘。日本の10年債利回りは一時マイナス0.3%、20年債はマイナス0.005%まで下げた。米国は日本よりも移民を受け入れているものの、経済への下押し圧力を相殺するには不十分だとみる。同氏は昨年8月時点で、米連邦公開市場委員会(FOMC)の利上げは「時期尚早になろう」と警告していた。

報われた強気派

  債券強気派は世界中で報われている。バンク・オブ・アメリカ(BofA)の指数では、日本国債の今年1-6月(上期)のリターンはプラス7.1%。米国債はプラス5.7%で、上期としては過去6年で最高のリターン。

  8日に米労働省が発表した6月の非農業部門雇用者数は前月比28万7000人増と、ブルームバーグが調査したエコノミスト予想の18万人増を大きく上回ったものの、米30年債利回りは先週末に2.09%に低下し、前例のない水準を付けた。

  ジャパニフィケーションという見方は少数派だ。ブルームバーグが米エコノミストを対象に実施した月次調査結果では、市場実勢とは異なるものの、利回り上昇が一貫して予測されている。ジャナス・キャピタル・グループのビル・グロース氏は先週、ブルームバーグ・テレビジョンとのインタビューで、ソブリン債の利回りが過去最低水準にあり「あまりにも危険だ」と指摘した。最新調査によると、米10年債利回りの年末水準は、直近示された予測に大きな比重を置くと1.75%と予想されている。

原題:Tokyo Welcomes Treasury Investors to ‘World of Japanification’(抜粋)

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