日本株5日ぶり大幅反発、米雇用堅調と参院選で与党大勝-全業種高い

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11日の東京株式相場は5営業日ぶりに大幅反発。米国の雇用統計が市場予想を大きく上回ったほか、参院選で自民、公明の与党が大勝し、今後の積極的な経済政策運営が期待された。鉄鋼など素材株、証券など金融株、輸送用機器など輸出株中心に東証1部33業種は全て高い。

  TOPIXの終値は前週末比45.91ポイント(3.8%)高の1255.79となり、上昇率は2月15日(8%高)、1月22日(5.6%高)に次ぐことし3位。日経平均株価は601円84銭(4%)高の1万5708円82銭で、上昇率はことし4位だった。

  JPモルガン・アセット・マネジメントの重見吉徳グローバル・マーケット・ストラテジストは、「米雇用統計は景気は良いものの、年内は追加利上げなしと受け止められ、株式市場にとっては最も望ましい形となった」と指摘。参院選での与党圧勝も、「日本株買い戻しのきっかけとなり、低金利に乗じたリスクオンが広がった」との見方を示した。

東京証券取引所

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  8日に発表された6月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月から28万7000人増加し、市場予想の18万人増を大きく上回った。リスク資産見直しの動きから、同日の欧米株はストックス欧州600指数が続伸、米S&P500種株価指数は昨年5月以来の高値を付けた。リスクオンの動きは商品市況にも波及し、農産物を含む国際商品指数のトムソン・ロイター・コアコモディティCRB指数も反発した。

  国内では参院選が10日に投開票され、NHKの開票速報によれば、改選121議席のうち自民、公明の両党は目標とした改選議席の過半数に当たる61議席を上回った。非改選と合わせ、与党と憲法改正に前向きな「おおさか維新の会」や無所属などを含めた勢力で国会発議に必要な3分の2を確保した。安倍晋三首相は10日夜のNHK番組で、「選挙結果は力強く今の経済政策を前に進めよとの国民の声」とし、「包括的、大胆な経済政策を早速策定していきたい」と述べた。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の折見世記シニア投資ストラテジストは、街角景気の先行き判断DIが大きく悪化するなどアベノミクスに対する国民の信認が落ちている現状、「景気浮揚のためのカンフル剤が必要」とし、安倍首相の発言通り、大胆かつ力強い経済対策の概略が「今週内にも出てくるようなら、持続的な日本株上昇も可能」とみる。

  週明けの日本株は、米統計と参院選結果を受けた国内政策期待を背景に投資家のリスク許容度が高まり、朝方から幅広い業種に買いが優勢。午後には、為替のドル高・円安推移を受け輸出株も強含んだ。安倍首相が午後2時から自民党本部で会見し、12日に経済対策の準備に入るよう担当大臣らに指示したことが明らかになると、日経平均の上げ幅は一時700円を超えた。

  ただし、三菱モルガン証の折見氏はきょうの急伸は買い戻し主導と指摘。JPモルガンアセットの重見氏も、「英国の欧州連合(EU)離脱問題や米大統領選など不確実性の高い要素が散見され、このまま一本調子で上昇していくとは思えない」とし、目先の日経平均は1万5000円台後半から1万6000円でもみ合うと予想する。

  東証1部33業種の上昇率上位はその他製品、鉄鋼、証券・商品先物取引、ガラス・土石製品、保険、非鉄金属、輸送用機器、繊維、機械、その他金融。東証1部の売買高は19億9668万株、売買代金は2兆1291億円。値上がり銘柄数は1897と1月22日に次ぐことし2番目の多さ、値下がりは51。

  売買代金上位では、スマートフォン向けゲームが米国で好調の任天堂が連騰、独フォルクスワーゲンが電気自動車(EV)向け電池製造で提携を検討していることが分かったパナソニックは急伸した。トヨタ自動車や三菱UFJフィナンシャル・グループ、ソニー、ソフトバンクグループ、日産自動車、大成建設、三井不動産、マツダ、コマツ、東京海上ホールディングス、セブン&アイ・ホールディングス、ディー・エヌ・エー、三菱商事、ダイキン工業も高い。半面、鹿児島県新知事に川内原子力発電所の一時停止と点検を公約した候補者が当選し、九州電力は急落。KLabも売られ、個別では四半期減益のプレナスやチヨダ、みずほ証券が目標株価を下げた島忠も安い。

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