参院選:与党が改選過半数、「改憲勢力」で3分の2

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  • 自公、お維新、こころ、無所属で改憲発議可能な勢力に
  • 「力強い新たな布陣を組んでいきたい」-内閣改造で安倍首相

第24回参院選は10日投票、即日開票された。NHKの開票速報によると、改選121議席(選挙区73、比例代表48)のうち、自民、公明の両党は目標としていた改選議席の過半数に当たる61議席を上回った。非改選と合わせると与党と憲法改正に前向きな「おおさか維新の会」や無所属などを含めた勢力で国会発議に必要な3分の2も確保した。

  NHKのウェブサイトによると、11日午前9時36分時点で、自民党が56、公明党が14と連立与党で70議席の獲得。民進党は32、おおさか維新の会が7、共産党が6、社民党が1、生活の党と山本太郎となかまたちが1、無所属・その他が4議席となっている。今回の参院選には389人が立候補した。福島、沖縄の2選挙区では岩城光英法相、島尻安伊子沖縄北方担当相の現職閣僚がともに議席を失った。野党では社民党の吉田忠智党首、新党改革の荒井広幸代表が落選した。

10日投開票の参院選

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  参院選は安倍晋三首相(自民党総裁)が進めてきた経済政策、アベノミクスの是非などが争点となった。首相は10日午後10時半すぎ、NHKの番組に出演し、参院選結果について「力強く今の経済政策を前に進めよとの国民の声だった」と指摘。今後の党役員人事、内閣改造について「今後、強力な経済政策を進めていく上において力強い、新たな布陣を組んでいきたい」と語った。

  
  慶応義塾大学大学院の岸博幸教授は参院選後の政策課題について「やるべきことは明確で、経済政策についてはどれだけ規制改革とか地方分権を進められるか。これに尽きる」と述べ、具体的な分野として労働市場や社会保障制度の改革などを挙げた。経済対策の事業規模については最低でも5兆円必要だが、「10兆円に近いレベルの金額になる可能性はある」との見方を示した。

  公明党の山口那津男代表はTBSの番組で「自公の連立政権の実績と今後の主張について明確に訴えたことが理解をいただいていると思っている」と語った。民進党の岡田克也代表はNHKの番組で、与党が改選過半数を獲得する見通しとなった選挙結果について「私は代表ですから、責任はあります」と述べた。9月までの任期は務めるものの、代表選への対応については「現在では白紙だ」と語った。

内閣改造

  政治評論家の伊藤惇夫氏は9日の電話取材で、内閣改造の焦点として菅義偉官房長官の処遇を挙げた。伊藤氏は「在任期間が長期になって菅さんの力が強くなり過ぎているという声が安倍首相の周辺にある。ただ、菅さんが外れると政権運営に支障を来すことになる」と語った。

  12年12月の第2次安倍政権発足と同時に就任した菅官房長官は7日、在職日数が1290日となり、福田康夫氏を抜いて歴代単独1位となった。慶大大学院の岸教授は菅官房長官について菅氏が官房長官として力を持つことで「だからこそ安倍政権がちゃんとうまくいっているわけで、代えたら大変だというのは安倍首相は分かっているはずだ」と語った。

  菅官房長官は11日午前の記者会見で、内閣改造に関して問われ、「人事については総理の専権事項。総理自身が今回の選挙の結果を踏まえて、熟慮した上で方針を決めるのだろう」と語った。

  今回の参院選は選挙権年齢をこれまでの「20歳以上」から「18歳以上」に引き下げた初めての国政選挙だった。

(第2段落を更新し、第8段落に菅官房長官の発言を追加します.)
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