英不動産ファンドの2.3兆円、「解凍」には時間かかる見込み

  • 不動産資産の投げ売りを避けるためファンドが解約を停止
  • アバディーンはファンドの価格を17%引き下げ、解約歯止め狙う

英国が欧州連合(EU)離脱を選んでから7営業日後にスタンダード・ライフ・インベストメンツは29億ポンド(約3800億円)の英不動産ファンドの解約を停止した。不動産ファンドから資金を引き出したい投資家は、長い間待たなければならないようだ。

  スタンダード・ライフの後も6社が不動産資産の投売りを避けるため、合計で150億ポンド相当のファンドの解約を停止したり、あるいは抑える措置を取った。2008年の金融危機に見舞われた時は、投げ売りのため、商業用不動産相場が40%下落、清算に追い込まれるファンドも多かった。

  ファンドの解約停止についてアラステア・スウェル氏らフィッチ・レーティングスのアナリストはリポートで「いったん関門が設けられると逆行は難しくなるものだ」と書いている。前回の危機時に同様の行動を取ったドイツのファンドの多くは「解約を再開することができないまま清算することになり、清算プロセスは今も続いている」という。

  英ファンドについてはそのような極端な結末は予想されないものの、今すぐ資金を取り戻そうとすれば投資家は相当な損失に直面する。アバディーン・アセット・マネジメントは32億ポンド規模の同社ファンドの解約を望む投資家に、17%引き下げた価格でなら11日に資金を受け取れると伝えた。

  事情に詳しい関係者らによると、アバディーンもその他の解約を停止したファンドもまだ手元現金の残高はプラスなので支払いは可能なのだという。解約を停止したのは、解約せずファンドを持ち続ける投資家を守るために秩序ある売却プロセスを取るためだ、と関係者が匿名を条件に語った。

  コンサルタント会社アーンスト・アンド・ヤングの英不動産責任者のラッセル・ガードナー氏は「ファンドは解約を停止する期間についてかなりの自由度があると考えており、それが賢明だと思われる限りは続けるという姿勢だ」と話した。

原題:No Quick Fix to Free $23 Billion Frozen in U.K. Property Funds(抜粋)

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