IMF:ECBは資産購入の拡大を、インフレ回復なければ

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  • ユーロ圏は銀行の不良債権について包括的対策が早急に必要
  • ユーロ圏経済の下振れリスクは増した

国際通貨基金(IMF)は8日、ユーロ圏のインフレ率が現在の低水準から回復しない場合、欧州中央銀行(ECB)は資産購入プログラムの拡大を検討するべきだとの見解を示した。

  IMFはユーロ圏についての4条協議報告書を公表。その中で「インフレ見通しが極めて弱いことに鑑み、ECBはインフレ率が想定する調整軌道を下回り続ける場合は、一段の金融緩和を実行する態勢を整えるべきだ」と論じた。「ディスインフレ圧力が依然として強く、域内11カ国の5月のインフレ率はマイナスだった」と指摘し、「2次的影響がコアインフレ率を押し下げている」と分析した。

  さらに、「下振れリスクは増した」とし、「外需は弱まる可能性があり、政治的リスクは大幅に高まった」とし、特に英国の状況に関連したリスクが大きいと指摘した。

  IMFは2017年のユーロ圏成長率予想を1.4%と4月時点の1.6%から下方修正。英国の欧州連合(EU)離脱決定を理由に挙げた。16年については1.6%と予想している。IMFは追加のリポートで「英国はユーロ圏にとって重要な貿易相手国であり金融面の関係も緊密だ。英国のEU離脱は貿易と金融、信頼感を通じてユーロ圏経済に悪影響を与えるだろう」と分析した。

  マイナス金利はユーロ圏経済の回復に役立ったものの、一段の引き下げによる効果は限られる可能性があるとし、ECBは資産購入プログラムを政策の中心とするべきだとの見方を示した。 その上で、「一段の利下げは銀行の収益力に悪影響を与える可能性がある」一方、資産購入プログラムで購入できる資産はまだ「2兆4000億ユーロあり、プログラムに若干の修正を加えれば購入できる資産は劇的に増える」と指摘。利回りが中銀預金金利を下回る債券の購入も認めることを提案した。

  IMFは銀行と不良債権について懸念を表明し「不良債権問題に対処する包括的な戦略が緊急に求められる。それが銀行システム統合を促すより広範囲な戦略の一部となり得る」とコメントした。

原題:IMF Urges ECB to Expand QE If Inflation Doesn’t Revive (1)(抜粋)

(第4段落に英国についてのリポートを追加し第5段落に加筆します.)
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