6月の米雇用統計、労働市場の傾向判断で市場が注目-8日発表

  • エコノミストは雇用者数が18万人増に回復すると予想
  • ベライゾンの従業員スト収束で3万5100人の職場復帰も影響

エコノミストは通常、1つの経済データを重視し過ぎないように気を付けているが、現在の環境下では、8日に発表される6月の米雇用統計については極めて子細に分析した方が良さそうだ。

  先月初めに発表された5月の米雇用者数はほぼ6年ぶりの低い伸びにとどまり、その衝撃が米利上げ見送りの一因となった。その後、英国民投票で英国の欧州連合(EU)離脱が決まり、世界経済に不透明感が広がった。

FRBのイエレン議長

Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

  こうした中、6月の米雇用統計は通常よりも大きな意味を持つ。エコノミストや政策当局者らは同統計を手掛かりに、世界経済の成長懸念が強まる前でも米経済の最も強い部分が急激に鈍化したか、それとも労働市場は一時的なソフトパッチ(軟化局面)に見舞われただけなのかを判断することになる。

  ハイ・フリークエンシー・エコノミクス(HFE)の米国担当チーフエコノミスト、ジム・オサリバン氏はニューヨーク州バルハラで、「8日には今後の見通しが大幅に見直される可能性がある」とし、「先月発表の雇用統計で見解がいかに大きく変わったかを考えれば、今回の雇用統計への期待は異例に高いと感じている」と説明した。

  ブルームバーグがまとめたエコノミストの予想中央値によれば、6月の非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比18万人増加となる見込み。5月は3万8000人増と、2010年9月以来最も低い伸びだった。

  多くのエコノミストは、労働市場の他の指標が依然健全さを示していることから、雇用の伸びの基調についてなおも楽観的だ。米新規失業保険申請件数は過去に照らして引き続き低水準にとどまっているほか、製造業とサービス業の雇用指標は共に先月回復し、求人件数は過去最高水準付近で推移している。

  5月の雇用統計は米通信会社ベライゾン・コミュニケーションズの従業員ストの影響を受けたが、ストの終了が6月の雇用者数を押し上げる見通しだ。労働省のデータによれば、約3万5100人の従業員が5月31日に約7週間続いたストを切り上げ、職場復帰した。

  6月の失業率は4.8%に上昇する見通し。5月はこの8年余りで最も低い4.7%となっていた。

原題:Jobs Report in U.S. to Get Extra Scrutiny in Post-Brexit World(抜粋)

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