2.4兆円の英不動産ファンドが凍結-リーマン前夜のサブプライム彷彿

英国では大手不動産ファンドの対顧客取引停止が相次ぎ、合計約180億ポンド(約2兆3600億円)の資産が凍結または動きが制限された。英国の欧州連合(EU)離脱決定を受けて投資家が同国の不動産投資から手を引こうとし、解約請求が急増している。

  「リーマン破綻前夜のベア・スターンズのサブプライムファンドを彷彿(ほうふつ)とさせる」と、ジャナス・キャピタル・グループのビル・グロース氏がブルームバーグ・テレビジョンとのインタビューで述べた。「金融システムは流動性が適切な場所に流れ込むようにできていない。不動産ファンドはほんの一例で、恐らくほかにも資金が流出する分野があるだろう。懸念すべきことだと思う」と語った。

  ヘンダーソン・グローバル・インベスターズとコロンビア・スレッドニードル・インベストメンツ、カナダ・ライフは6日、少なくとも57億ポンド規模のファンドの取引を停止。アバディーン・ファンド・マネジャーズは不動産ファンドの評価額を17%引き下げ、解約を一時的に停止した。アバディーンは評価引き下げと一時停止によって顧客が考え直すことを期待している。リーガル・アンド・ゼネラル・グループ(L&G)も7日、自ら抱える23億ポンドの不動産ファンドの評価額をさらに10%調整すると発表した。

建設中のオフィスタワー(ロンドン)

Photographer: Simon Dawson/Bloomberg

  EU離脱後3年以内にロンドンのオフィス物件は最大20%下落するとアナリストが予想する中で、投資家は英不動産ファンドから資金を引き揚げようとしている。2007―08年の金融危機時にも不動産ファンドには償還請求が殺到。解約停止が相次ぎ、英国の不動産はピークから40%以上値下がりした。

  不動産市場の状況が前回の金融危機時にたどった展開をなぞる中で、EU離脱選択の衝撃を抑え込めずに英経済がリセッション(景気後退)入りする懸念が高まっている。

  ノーザン・トラストの海外資産運用部門のウェイン・バウワーズ最高経営責任者(CEO)は、償還請求の急増を無視することはできないとし、他の資産も同様の圧力を受けているか、今後受ける可能性があると指摘した。

原題:‘Panic’ Brexit Withdrawals Freeze $23 Billion Property Funds (2)(抜粋)

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