債券上昇、新発2年債利回り連日で過去最低更新-追加緩和観測根強い

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  • 新発2年債利回り一時マイナス0.365%、長期金利マイナス0.30%
  • ひとまず付利10bp下げを織り込んだとの印象-JPモルガンAM

債券相場は上昇。長期金利は過去最低水準を更新した。市場参加者からは、日本銀行によるマイナス金利政策拡大などの追加緩和を織り込む形で債券が買われたとの見方が出ていた。政策変更の影響を受けやすい2年債利回りも最低水準を更新し、先物は最高値を付けた。

  8日の現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の343回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より0.5ベーシスポイント(bp)低いマイナス0.285%で開始した。徐々に水準を切り下げ、マイナス0.30%と過去最低を更新。その後はマイナス0.285%に戻している。新発2年物の366回債利回りは一時マイナス0.365%まで下げ、連日で過去最低を記録した。

  新発20年物の157回債利回りは0.5bp高い0.04%を付けている。新発30年物の51回債利回りは2.5bp高い0.09%まで上昇後、0.085%に戻している。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラテジストは、「後場に入って円高・株安をきっかけに債券買いの勢いが強まった。超長期ゾーンは20年債利回りのマイナス圏突入でひとまず達成感が出て調整しているが、中期債は日銀の追加緩和観測、特にマイナス金利の深掘りを織り込んで、利回りが低下している」と話した。

次回会合を28日、29日に開く日銀の本店

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  長期国債先物市場で中心限月9月物は、前日比変わらずの153円58銭で取引を開始。その後は水準を切り上げ、153円81銭まで上昇し、過去最高値を記録。取引終了にかけて上げ幅を縮め、結局9銭高の153円67銭で引けた。

  JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長は、「債券相場は日銀のマイナス金利拡大を徐々に織り込みつつある。ひとまず、付利の10bp下げを織り込んだ印象だ」と話した。一方、「超長期債はおとといまでのラリーが一服し、高値警戒感からリアルマネーなどの売りが優勢になっている。20年債は初めてマイナス圏に入ったので、いったん調整に転じている」と述べた。 

  日銀がこの日実施した今月4回目の長期国債買い入れオペの結果によると、残存期間「1年超3年以下」と「10年超25年以下」の応札倍率が前回から低下した。一方、「3年超5年以下」と「25年超」が上昇した。

  パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は、「ドル・円の100円割れが近づいて、いつ追加緩和があるかもしれないということで、短いところに資金を移している面もあるだろう。マイナス金利の深掘りに連動しやすいところに資金を移す動きもあるだろう。オペ結果もまさにそれを裏付けるような結果だ。これまで強かった25年超が応札倍率4倍超、強かったのは中期ゾーン」と話した。

3者会合

  財務省と金融庁、日銀の幹部がこの日午前、金融庁内で英国の欧州連合(EU)離脱決定を受けて不安定な動きが続いている市場動向について意見交換し、為替市場で投機的な動きがあれば必要な対応を取る方針を確認した。財務省の浅川雅嗣財務官が記者団に明らかにした。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「日銀、財務省、金融庁の会合もあって緩和期待も意識される。英国のEU離脱決定により、世界経済の減速懸念や金融市場の不安定化に対して、各国で政策対応を考える一環」だと指摘。ただ、「すぐに緩和政策につながるとは思わない。不透明感が強まっている中で、7月末の日銀会合での緩和期待につながるので支えとなるだろう」と話した。

  日銀は今月28、29日に金融政策決定会合を開催する。三菱UFJモルガン証の稲留氏は、「月末までは追加緩和の有無より内容に関する観測が相場の焦点だ」と指摘。今回の会合については、「当社では付利下げでなく、指数連動型上場投資信託(ETF)の増額と貸し出し支援基金オペへのマイナス金利導入に踏み切るとみている」と言う。

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