日本株は3日続落、英国と円高で業績リスク-通信や化学、不動産売り

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7日の東京株式相場は3日続落。英国の欧州連合(EU)離脱による悪影響や為替の円高進行を受けた企業業績の先行き懸念が強く、直近の戻りが顕著だった情報・通信や建設、小売株のほか、化学株中心に下げた。海外不動産投資ファンドの解約騒ぎが広がる中、不動産株は業種別下落率でトップ。

  TOPIXの終値は前日比8.11ポイント(0.7%)安の1226.09、日経平均株価は102円75銭(0.7%)安の1万5276円24銭。

  富国生命保険の山田一郎株式部長は、「BREXITの影響は通貨に顕著に表れている。リスクオフ的なムードで円高になれば、日本は自国通貨建てで一番影響が出る」と指摘。短期的には、市場は米国の雇用統計や日米欧金融政策を意識した展開になっており、「雇用統計はある程度の数字が出てこなければ、今の状況下で利上げ期待が一気に出てくるのは難しい。円買いになりやすい」との認識を示した。

  この日の日本株は小安く始まり、一時はプラス圏に浮上したが、午後終盤に日経平均は137安まで売られるなど終始不安定だった。あす8日には米重要統計の1つである雇用統計の発表、国内では株価指数オプション7月限の特別清算値(SQ)算出を控える。直近の戻り相場に一服感が出ていた上、為替や企業業績の先行き不透明感も根強く、買いが入りにくかった。

  ドル・円相場は朝方に1ドル=101円台前半で推移していたものの、その後はじりじりと円が強含み、午後は100円60銭台まであった。前日の日本株終値時点は101円9銭。英国のEU離脱選択後の欧州の金融、不動産関連市場の混乱からリスク回避圧力は強い。前日の海外市場では、一時6月24日以来の円高水準となる100円20銭を付ける場面もあった。

  ヘンダーソン・グローバル・インベスターズとコロンビア・スレッドニードル・インベストメンツ、カナダ・ライフは合わせて57億ポンド(約7500億円)規模の不動産ファンドの解約を停止した。英EU離脱の判断後、不動産ファンドの解約を停止した資産運用会社は6社に上る。ブラックロックは、供給過剰のロンドン中心部が先導役となり、商業用不動産の価格が向こう1年で10%程度下落する恐れがある、と予想している。

  カブドットコム証券の河合達憲マーケットストラテジストは、「為替と日経平均の過去の関係から試算すると、1ドル=100円は1万4000円、101円なら1万4300ー4400円が穏当値」とし、「今は米国株堅調が支えになり、穏当値から割増しの状態にあるが、2週間後の決算で輸出やハイテクが期初から下方修正されることを考えると、上値は買いづらい」と話した。

  一方、米供給管理協会(ISM)が6日に発表した6月の非製造業総合景況指数は56.5と前月の52.9から好転した。6日の米国株も製薬株中心に反発、米国動向が支え、主要株価指数は前日の安値水準を下回らなかった。いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は、「万一の際も欧州や英国の中央銀行が金融機関を破綻させる選択はしないことから、最終的にはリーマン・ショックのような金融収縮にはつながらない。いずれ問題は収束する」とみている。

  東証1部33業種は不動産、建設、化学、通信、水産・農林、非鉄金属、小売、精密機器、鉱業、鉄鋼など28業種が下落。その他製品、電気・ガス、繊維、陸運、医薬品の5業種は上昇。東証1部の売買高は18億3293万株、売買代金は1兆8578億円。代金は前日に比べ17%減った。値上がり銘柄数は484、値下がりは1337。

  売買代金上位ではブイ・テクノロジーや三井不動産、三菱電機、積水ハウス、IHI、ホシザキ、オリンパスが安く、GMSの不振で3ー5月期営業利益が減益だったイオン、モルガン・スタンレーMUFG証券が目標株価を下げたユニ・チャームは大幅安。半面、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が投資判断を上げたヤマトホールディングス、3-5月期営業利益は前年同期比7.9%増だったエービーシー・マートは高い。任天堂やコマツも高い。

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