7月6日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ポンドが続落、英EU離脱決定後の混乱続く-円は上昇

6日のニューヨーク外国為替市場ではポンドが31年ぶりの安値を更 新。英国の欧州連合(EU)からの離脱決定が引き続き金融市場を揺る がせた。

ポンドは対ドルで一時1ポンド=1.28ドルを割り込み、国民投票翌 日の6月24日に付けた安値を4セント下回った。円は主要16通貨全てに 対して上昇。世界的に株価の上値を抑えている英国発の混乱を受け、安 全な逃避先としての需要が強まった。

英国のEU離脱決定が同国経済の信頼感に打撃を与えているとの証 拠が増える中、ポンドは過去2日間に30年ぶり安値を更新している。ヘ ンダーソン・グローバル・インベスターズは39億ポンド規模の英不動産 ファンドの解約を停止した。アビバ・インベスターズやスタンダード・ ライフ・インベスターズは既に確約を停止している。2007年のような不 動産市場の動揺と金融危機の始まりで、国民投票後のショックを制御で きずに英国がリセッション(景気後退)入りするとの懸念が強まってき た。

SEBの為替ストラテジスト、リチャード・フォルケンホール氏は 「国民投票から1週間半がたち、英経済の中で悪いことが表面化し始め ている。過去数日のペースを考えると、ポンドは落ち着く前に1.25ドル まで容易に下落しそうだ」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ポンドは対ドルで0.7%安 の1.2931ドル。一時は1.7%安の1.2798ドルと、1985年以来の安値を付 けた。円は対ドルで0.4%高の1ドル=101円32銭。一時は100円20銭ま で買われた。ユーロはドルに対して0.2%高い1ユーロ=1.1100ドル。

英国民投票の直後に100円を超えた円は、同国のEU離脱の影響が 拡大する中で安全な逃避先とみなされている。円高を受け、日本は経済 目標の達成が一段と困難になっている。

EU離脱決定以降、ポンドの下げが最もきつい。ほとんど全てのア ナリストが見通しを変更しており、軟調な地合いが続くと予想されてい る。ブルームバーグが実施した調査では47人のうち42人がポンドは1.30 ドルあるいはそれを下回る水準で年を終えると予想した。最も弱気なジ ュリアス・ベア・グループは1.16ドルへの下落を見込んでいる。

自国通貨の下落は輸出を促進するため、離脱からの経済的痛みに対 する緩衝材になり得るが、ポンドの継続的下落は英国への信頼感悪化の 兆候となっている。

BNPパリバの外国為替戦略の世界責任者、スティーブン・セイウ ェル氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「今の問題 はリスクセンチメントだ」と発言。経常赤字を考慮すると、英国は「バ ランスをとるために資金を流入させる必要がある。それについて市場が 神経質になり始めれば、そのような資金流入は枯渇する」と述べ、ポン ドに悪影響を及ぼすと語った。

原題:Pound Takes Fresh Leg Lower on Mounting Brexit Woes as Yen Jumps(抜粋)

◎米国株:反発、製薬株が高い-景気への慎重な見方は後退

6日の米国株は反発。製薬株が上昇した。米国経済は英国の欧州連 合(EU)離脱選択による影響を乗り越えられるとの見方が広がり、投 資家は慎重な姿勢を緩めた。

バイオテクノロジー株の主導でヘルスケア関連銘柄は年初来高値に 値上がりした。小売株も高い。米国の非製造業景況指数が7カ月ぶりの 高水準となったことが好感された。一方、通信銘柄は続落した。

S&P500種株価指数は前日比0.5%高い2099.73ポイント。ダウ工 業株30種平均は78ドル(0.4%)上昇し17918.62ドルで終えた。ナスダ ック総合指数は0.8%上昇した。

ロバート・W・ベアードの機関投資家担当株式セールストレーダ ー、マイケル・アントネッリ氏は「今の市場は方向感を見失っている」 と述べ、「主な懸念材料はいつもの通り、低成長という環境だ。次回の 連邦公開市場委員会(FOMC)や来週以降の決算発表シーズンを前に 何も手がかりがない」と続けた。

シカゴ・オプション取引所(CBOE)ボラティリティ指数 (VIX)は4%低下して14.96。先週全体では43%低下した。

連邦準備制度理事会(FRB)が6日公表 した連邦公開市場委員 会(FOMC、6月14-15日開催)議事録では、米政策当局者は雇用の 減速を懸念しており、6月23日の英国民投票の結果を待つのが賢明だと 判断したことが示された。「参加者は総じて、1-2本の労働市場関連 の統計に過剰反応するのは避けた方が良いとの認識で一致」した一方、 最近の雇用データの意味合いについては「不透明」と捉えたことが分か った。

市場で予想される次回利上げの時期は後ずれしており、利上げ確率 が42%以上となるのは早くても2018年以降とみられている。

この日はS&P500種セクター別10指数のうち8指数が上昇した。 ヘルスケアは1.2%高、一般消費財・サービスとエネルギー、情報技術 も高い。電気通信サービスは0.4%下落した。

小売株ではアマゾン・ドット・コムが1.3%上昇し過去最高値。ホ ーム・デポやベッド・バス・アンド・ビヨンドも値上がりした。住宅建 設株価指数は2.1%上昇し、4週ぶり高値となった。D.R.ホートン やトール・ブラザーズが高い。

素材株は一時の下げを埋めて小幅高。ニューモント・マイニング は2.6%上昇した。この日のニューヨーク金相場は上昇し、2年ぶりの 高値をつけた。

原題:U.S. Stocks Advance Amid Drug Maker Rally as Caution Subsides(抜粋)

◎米国債:10年債利回りは小幅低下、終値ベースでの過去最低を記録

米国債市場では年初からの相場上昇で利回りは今週、過去最低を記 録。世界の債券投資家に巨額の投資利益をもたらすなか、6日の市場で は10年債利回りは低下した。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチの指数によると、米国債は 今年に入り7370億ドル(約74兆7100億円)のリターンを生んだ。金融政 策当局が追加緩和を講じるとの観測から、期間の長い債券に投資資金が 向かっている。日本銀行と欧州中央銀行(ECB)はマイナス金利を導 入。米連邦公開市場委員会(FOMC)はしばらく利上げに踏み切るこ とができないとの見方が市場では広がっている。

すでに中国の景気減速と米景気回復の弱さが懸念されていたところ に、先月の英国民投票で欧州連合(EU)離脱が決まり、世界経済への さらなる重しとなるとの見方から、質への逃避が再び活発になった。米 国債市場では10年債と30年債が4営業日続伸し、利回りはいずれも過去 最低を更新。日本国債の20年債利回りは一時マイナスとなり、ブルーム バーグ・グローバル・デベロップト・ソブリン債指数を構成する国債で はマイナス利回りとなっている銘柄が10兆ドル近くになっている。

BMOキャピタル・マーケッツの債券ストラテジスト、アーロン・ コーリ氏(ニューヨーク在勤)は「デュレーションの伸長に伴い利回り は低下し、レートが急激に動いた場合のリターンもしくは損失は異例の 大きさになっている」と説明した。

ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは1ベーシスポイン ト(bp、1bp=0.01%)低下の1.37%と終値ベースでの過去最低を 更新した。10年債(表面利率1.625%、2026年5月償還)価格は102 11/32。

日本相互証券によれば日本の20年債利回りは一時マイナス0.005% に低下。10年債利回りはマイナス0.275%、一時マイナス0.285%と過去 最低を付けた。

米国では、金利先物市場に織り込まれている年内の利上げ確率は 約12%にとどまっている。

この日公表された6月の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録に よれば、米労働市場や金融安定をめぐる不確実性が政策金利据え置きの 一因になったことが示された。このほか、英国の欧州連合(EU)離脱 の是非を問う国民投票の結果を待つのが賢明だと判断したことも示され た。

ブルームバーグの調査では、8日発表される6月の米雇用統計では 雇用者数の18万人増が見込まれている。

アタナシオス・バンバキディス氏らバンク・オブ・アメリカ・メリ ルリンチのストラテジストは6日付の調査リポートで、「英国のEU離 脱選択の余波で市場は神経質な状態が続いており、非農業部門雇用者数 をめぐるリスクは非対称だと考えられる」とし、「市場が神経質になっ ているということは、予想を下回った場合、センチメントに強く影響す るということだ」と述べた。

原題:Treasuries Deliver $700 Billion Windfall to World Safety Seekers(抜粋)

◎NY金:2年ぶり高値、新たな強気局面の始まりとUBSは指摘

6日のニューヨーク金相場は上昇し、2年ぶりの高値となった。 金融市場の混乱から逃避する動きが進んだ。UBSグループは金が新た な強気局面に入った可能性があると指摘した。

UBSグループのアナリスト、ジョニ・テベス氏(ロンドン在勤) は「金は次の強気局面の初期段階に入った可能性が高い」とリポートで 指摘。「このトレンドはこれから本格化し、さらに買いを集め、これま では消極的だった投資家の参入を促すだろう」と述べた。

ニューヨーク時間午後1時50分現在、金スポット相場は前日 比0.8%高の1オンス=1367.40ドル。一時は2014年3月以来の高値をつ けた。金先物8月限は0.6%上げて1367.10ドルで終了。

銀スポット相場は0.9%上昇の20.116ドル。これで年初からの上昇 率は45%となった。プラチナとパラジウムも値上がり。

原題:Gold Climbs to Two-Year High as UBS Sees Start of New Bull Run(抜粋)

◎NY原油:反発、6月安値維持後に買い戻る-ドル安も追い風

6日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インタ ーミディエート(WTI)先物が反発。6月の安値を割り込まなかった ことから買いが戻った。ドル安も商品投資の妙味を高めた。7日発表の 米エネルギー情報局(EIA)週間統計では、先週の原油在庫減少が明 らかになる見通し。

エナジー・アナリティクス・グループ(フロリダ州ウェリントン) のディレクター、トム・フィンロン氏は「主要支持線を割らなかったこ とから、相場は反転上昇した」と指摘。「ドル安とテクニカル要因が強 気投資家に買いを入れる理由を与えた」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物8月限は前日 比83セント(1.78%)高い1バレル=47.43ドルで終了。一時は45.92ド ルに下げ、6月27日以来の安値を付けた。ロンドンICEのブレント9 月限は84セント(1.8%)上昇の48.80ドル。

原題:Oil Gains After Failing to Breach June Low as Dollar Declines(抜粋)

◎欧州株:3日続落、ドイツ銀やクレディ・スイスなど銀行株が急落

6日の欧州株式相場は下落。指標のストックス欧州600指数は3週 間ぶりの3営業日続落となった。

銀行株指数は2011年以来の低水準に沈んだ。ドイツ銀行とクレデ ィ・スイス・グループ、ポプラール・エスパニョール銀行、バンコ・ポ ポラーレはいずれも上場来安値を付けた。英ロイヤル・バンク・オブ・ スコットランド・グループ(RBS)は2009年以来の安値。保険株指数 は13年以来の低水準となった。

ストックス600指数は前日比1.7%安の318.76で終了。ユーレックス がウェブサイトに掲載した発表資料によれば、価格データ読み込みに関 する技術的な障害のため、同指数はロンドン時間午後2時12分ごろから 約2時間にわたり算出されなくなった。

英国の欧州連合(EU)離脱選択に伴う影響への不安にイタリア銀 行業界と景気への懸念が重なり、ストックス600指数は下げ基調に戻っ た。予想収益に基づく指数構成銘柄の平均株価収益率(PER)は約14 倍と、12年以来の低水準に接近した。

RMGウェルス・マネジメントのスチュアート・リチャードソン最 高投資責任者(CIO)は「今後3カ月から6カ月の間に、ファンダメ ンタルズのデータが悪化するだろう。先週の反発は単なるテクニカル要 因で、センチメントに左右されただけだ」とし、「現在、中期的な実際 の問題が注目され始めており、金融システムに何か問題があると考えら れている可能性がある」と語った。

ドイツ銀がDAX指数を押し下げ、1.7%安となった。英 FTSE100指数は1.3%下落。一時の0.5%高から下げに転じた。

原題:Sea of Red Hits Europe Stocks as Banks Sink to Lowest Since 2011(抜粋)

◎欧州債:マイナス利回りのユーロ圏国債が半分以上に-08年ほうふつ

6日の欧州債市場ではドイツやフランス、オランダの国債利回りが 過去最低を更新した。英国の欧州連合(EU)離脱選択で安全志向が高 まり、ユーロ圏では利回りがゼロを下回る債券が半分以上となった。

ドイツ10年債利回りはマイナス0.2%を下回る水準まで下げ、これ までの最低を記録。同年限のフランスとオランダの国債利回りも過去最 低を付けた。イタリアの銀行危機のほか、英国の不動産ファンドがさら なる試練に直面するなど、2008年の金融危機を想起させる状況となって いる。

スミス・アンド・ウィリアムソン・インベストメント・マネジメン トで資産運用に携わるジョン・アンダーソン氏(ロンドン在勤)は 「2008年のような雰囲気になり始めている」と指摘。「国債利回りは極 めてひどい状況に近く陥ることを物語っている。個人的に現時点ではリ スクオフで、慎重を期している」と述べた。

政治リスクも顕在化している。英国民投票の3日後に行われたスペ イン総選挙でラホイ暫定首相が過半数議席を獲得できなかった。イタリ アでは年内に政治改革に関する国民投票が実施される予定で、レンツィ 首相は否決された場合は辞任する意向を明らかにしている。

ブルームバーグ・ユーロ圏ソブリン債指数がカバーする6兆3900億 ドル相当の国債のうち、利回りがマイナスの銘柄の規模が半分を超え た。さらに約1兆9000億ドル相当は欧州中央銀行(ECB)の量的緩和 プログラムで購入対象とするマイナス0.4%の中銀預金金利を下回り、 対象外となっている。

ロンドン時間午後4時18分現在、欧州債の指標とされるドイツ10年 債利回りは前日比ほぼ変わらずのマイナス0.18%。一時はマイナ ス0.205%まで下げた。前日までの2営業日で6bp低下した。同国債 (表面利率0.5%、2026年2月償還)価格は106.56。30年物利回りも過 去最低となる0.292%を付けた。

原題:Half of Euro-Area Bond Yields Below Zero as Investors Recall ’08(抜粋)

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