揺らぐ英経済の屋台骨-不動産ファンドの資金流出、投げ売りの不安も

  • 解約を停止した不動産ファンドの運用資産額は合計で約91億ポンド
  • 償還請求が「高度の不確実性に伴い著しく増加した」とM&G

英国の欧州連合(EU)離脱に伴うコストが実体経済に実際に打撃を与え、英経済を支える柱が揺らぎ始めている。

  英国民投票から2週間足らずの間に同国の資産には売りが殺到し、ポンドは31年ぶりの安値まで急落。3つの資産運用会社が不動産ファンドの解約停止に追い込まれた。先の金融危機で起きた不動産市場の動揺が再燃する兆しが表れており、EU離脱が決まったことに伴う二次的ショックをうまく制御できなければ、英経済がリセッション(景気後退)に追い込まれることになりかえないと不安が高まっている。

  投資家から償還請求が殺到したことで、資産運用会社スタンダード・ライフ・インベストメンツに続き、M&Gインベストメンツとアビバ・インベスターズも商業用不動産ファンドの顧客取引を停止したことが5日までに分かった。これら3つの不動産ファンドの運用資産額は、合計で約91億ポンド(約1兆1800億円)に上る。ロンドンのオフィス価格が、英国のEU離脱から3年以内に最大20%下落する可能性があると業界アナリストは警告している。

  法律事務所コリヤー・ブリストーのパートナー、ロビン・ヘンリー氏は、不動産ファンドが「投げ売り価格」で資産の処分を余儀なくされ、商業セクターに打撃を与えることが、英経済にとってリスクだと指摘した。

  M&Gは償還請求が「高度の不確実性に伴い著しく増加した」と説明し、アビバは「手元流動性の不足」を解約停止の理由に挙げた。監督当局は5日にあらかじめ予定されていた資産運用会社との会合を持ち、英国のEU離脱の影響について意見交換を行った。

  エバーコアISIのクリシュナ・グハ副会長は「2008年に発生した米国のマネーファンドの取り付けのような事態がここで部分的に再燃しており、急激なリスクオフで安全資産への逃避を招くには十分だ」との見方を示した。

原題:Brexit Erodes U.K. Economic Pillars, Property Investors Flee (1)(抜粋)

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