3兆ドルの待機資金が米国債押し上げへ、企業年金も金利低下受け入れ

  • 米企業年金も押し目買いのチャンス狙う可能性
  • 10年物米国債利回りは今四半期に1.25%に低下へ-BofA

バンク・オブ・アメリカ(BofA)によると、3兆ドル(約303兆円)規模の米企業年金業界は金利の想定を放棄しているため、米国債にさらに資金を投じることになるという。

  BofAの米金利戦略責任者シャイアム・ラジャン氏(ニューヨーク在勤)は、利回りが過去最低水準にあるものの、年金は金利低下の長期化という見方を受け入れて米国債相場を押し上げる可能性が高いと予想。米国債組み入れ比率は1980年代のピーク時の半分の6%にすぎないことから、年金ファンドは押し目買いのチャンスに飛びつこうとする買い手側に加わる態勢だという。こうした需要が利回りをさらに押し下げる可能性があり、BofAは米10年債利回りが5日の約1.38%から9月末までに1.25%に低下すると予測している。

  ラジャン氏はインタビューで「年金ファンドとしては、金利が実際に低下する可能性があることは怖いに違いない」と述べた上で、「この債券高には永続性があると受け止められている。金利が3%に戻ると想定していても、すぐには実現しそうにない」と指摘した。

  確定給付型年金にとっては、年金債務を算出する際に使われる割引率が変化するため、利回り低下の痛手は深刻だ。金利が低下すると債務が一段と大きくなり、その穴埋めに必要な金額も増える。

  債券市場にはリスクのシグナルはほとんど見られない。米国では、10年物タームプレミアム(期間に伴う上乗せ利回り)はマイナス0.61ポイントと、前例のない低水準にある。同指標は過去50年間の大部分はプラス圏で推移していたが、今年初め以降マイナスに転じた。近い将来に利回り上昇の脅威は見当たらないという投資家の見方を示唆している。

  ミリマンのプリンシパル、ゾラスト・ワディア氏は「上位100の年金ファンドの一部の間では、主にリスク抑制を狙って債券分野にさらに進出しようとする意識的な試みがある」と指摘。「金利はどこまで下がり得るのかという意見はあるが、既に底打ちしたという話が出ても毎回、間違っていた」と付け加えた。  

原題:There’s a $3 Trillion Pool of Money Set to Extend Treasury Surge(抜粋)

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