みずほFG:国内の未上場企業向け証券業務を拡大へ-人員5割増

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みずほフィナンシャルグループは国内の未上場企業向け証券業務を拡大するため、担当部門の人員を現在の350人から5割程度増やす方針だ。みずほ証券の梶英俊シニアコーポレートオフィサーがブルームバーグの取材に明らかにした。

  みずほFGは日銀のマイナス金利政策に伴う資産運用の見直し、事業承継、成長に向けた新規株式公開(IPO)や企業の合併・買収(M&A)機会の模索など多様なニーズを持つ中堅・中小企業のオーナーに対し、プライベートバンキングや投資銀行業務を強化していく考えだ。増員は200人規模になる。

  佐藤康博最高経営責任者(CEO)が手数料(フィー)収入拡大に注力する中、みずほFGは4月に銀行、証券、信託銀行などグループ子会社を5部門に分け、効率性を高めて責任の所在を明確化する施策を実施。富裕層向けを含むリテール・事業法人部門は2019年3月期で約7500億円と全部門中最大の収益を見込んでいる。

みずほFGのロゴ

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  みずほ証の梶氏(52)はマイナス金利で国内債券での運用が難しくなる中、事業法人には「どこまでリスクを取れるか」を考える運用ニーズがあると述べた。一方、「上場というのは証券会社とオーナーにとってすごく大きなイベント。主幹事としてサポートすることは長期的に深いリレーションを続けるために重要」という。

ソフトウェアから肉、豆腐まで

  ブルームバーグのデータによれば、みずほFGは16年上半期(1-6月)の日本企業によるIPO引き受け主幹事ランキングで首位だった。野村ホールディングス、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、大和証券グループ本社と続いている。15年は7位だった。

  みずほが主幹事を務めた13件のIPOは、教育用ソフトウェアの開発を手掛けるチエル(本社・東京)や、精肉の卸売業務などフードサービスを展開するジャパンミート(本社・茨城県)、豆腐の製造販売を行うやまみ(本社・広島)など、業態やエリアは多岐にわたる。

  みずほ証は、上場した際の時価総額が1000億円以下と想定される企業向けの事業を拡大するため150人から200人のカバレッジバンカーの増員を模索。主にリテール部門からの移籍により中期経営計画が終了する19年3月期までに実現したい考えだ。

  リテール・事業法人部門長付の梶氏は、最近では「バイオ、IT、フィンテック関連の成長支援を行っており、この分野はビジネスポテンシャルが相当大きいと感じている」という。中堅企業や一部の上場企業を含む同分野は「ビジネス規模の拡大ペースと人員の配置ペースが見合っていない」と語った。

手数料獲得競争の主戦場に

  みずほ証では来年度は今年度比13%増となる400人程度の大学新卒採用を計画している。三枝浩紀広報担当によると、大半がリテール業務に配属される。野村、大和証G、SMBC日興証券の広報担当は、来年度の新卒採用数は今年度より減る見込みとしている。三菱UFJモルガンは若干増える可能性があるが、ほぼ横ばいの見通しという。

  中小企業庁が4月にまとめた「中小企業白書(16年度版)」によれば、日本の大企業は1.1万社。これに対し中小企業は381万社に上る。中小企業の経常利益の合計は15年末時点で5.2兆円と過去最高水準を記録した。

  みずほFGではリテール・事業法人部門で約60万社、個人2400万人と取引があり、貸出金は24兆円、預金は56兆円に上る。同社はこれらの顧客基盤をてこにIPOやM&A案件を発掘していくと同時に貯蓄から投資を促す考え。今後これらのビジネス領域は独立系の野村HDなどとのフィー獲得競争の主戦場になる可能性がある。

英文記事: Mizuho to Spur Small-Business Coverage With 200 More Bankers (1)

(第10段落に中小企業庁のデータを追加しました.)
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