NY外為:ドルが総じて上昇、ドイツ銀は利上げ観測からドル高予想

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5日のニューヨーク外国為替市場ではドルが総じて上昇。ドイツ銀行は金融状況の改善で年内の米利上げ観測が強まるとして、ドルは上昇するとの見通しを示した。

  欧州連合(EU)離脱を選択した6月23日の英国民投票の悪影響が世界的に続く中、ドルは主要31通貨のうち3通貨を除く全てに対して上昇した。8日発表の6月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数は18万人増と予想されている。これが米金融当局の見解を形成するとして、市場は注目している。サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁は5日の電話インタビューで、英国民投票でのEU離脱の選択で米経済が軌道から外れることはないだろうと述べ、経済成長とインフレが自身の予想通りなら、今年利上げを実施する余地が残ると述べた。

  ドイツ銀行の外国為替調査の共同世界責任者、アラン・ラスキン氏(ニューヨーク在勤)は「ドルはユーロや資源国通貨、新興市場国通貨に対して上昇する」と予想。金融状況を示す指標は「12月以降で著しく改善しており、低水準から大きく戻した。これで雇用統計への注目度が高まっている」と述べた。

  同氏はドルがユーロに対し、年末までに1ユーロ=1.05ドルに上昇するとの見通しを示した。ブルームバーグがまとめたアナリスト調査の予想中央値は1.09ドル。

  ドイツ銀によると、英国民投票から悪影響が出ているにもかかわらず、金融状況は米当局が利上げを実施した昨年12月以降改善している。そのため、雇用統計が世界の製造業データの改善と相まって、利上げ確率を高めると同行は予想している。フェデラルファンド(FF)金利先物市場が示す12月までの利上げ確率は5日現在10%となっている。英国民投票の前は50%だった。

  ニューヨーク時間午後5時現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.8%上昇。ドルは対ユーロで0.7%高の1.1076ドル。対円では0.8%安の1ドル=101円74銭。

  ウィリアムズ総裁は依然として米失業率が今年4.5%に低下し、インフレ率が加速を続けると予想していると発言。予想が現実となれば、今年の利上げが適切だと述べたが、具体的な時期や内容にはコメントしなかった。

  ドルは円と共に安全な逃避先としての需要が高まっている。イングランド銀行のカーニー総裁は5日、EU離脱決定の衝撃に伴うボラティリティを同中銀の政策が完全に補うことはできないと話した。ポンドはドルに対して約30年ぶり安値に沈んだ。米国債利回りは過去最低を付け、原油と株式相場も下げた。

  BNPパリバの通貨ストラテジスト、バシーリ・セレブリアコフ氏(ニューヨーク在勤)は「不確実性が企業の信頼感にとって良くない材料であることは確かだ。リスク選好のセンチメントには圧力が掛かっている。ドルは引き続き堅調に推移するだろう。ポンドからユーロに悪影響が波及している」と述べた。

原題:Deutsche Bank Says Dollar Poised for Gains as Fed Hike Possible(抜粋)

(第2段落と第5段落以降を追加し、更新します.)
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