英中銀、銀行資本要件を緩和-EU離脱で景気見通し厳しいと総裁

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  • カウンターシクリカル資本バッファーは2017年6月までゼロ
  • 利用可能になった資金を配当増額に充ててはならないと総裁

イングランド銀行(英中央銀行)のカーニー総裁は5日、欧州連合(EU)離脱決定の衝撃に伴うリスクが具体化し始めたとの認識を示し、金融安定を支えると表明した。

  総裁は中銀が半期に1回の金融安定報告を発表した後にロンドンで記者会見し「大幅な景気減速が見込まれる」とし、「景気見通しが厳しさを増す中で脆弱(ぜいじゃく)な家計は増えるかもしれない」と述べた。

  総裁は既に、銀行が必要とするだけの流動性を供給すると表明、夏の間に利下げする可能性も示唆している。

  中銀の金融行政委員会(FPC)が発表した新たな措置には銀行の自己資本要件の緩和が含まれる.総裁は同措置が「大きな違い」をもたらすとの見解を示した。FPCは市中銀行に求めるカウンターシクリカル資本バッファーをゼロにすると発表。リスク加重資産の0.5%とする決定を撤回し、少なくとも2017年6月までゼロで維持する方針を打ち出した。これにより銀行が融資に回せる資金は最大1億5000万ポンド(約200億円)増えると見込む。

  銀行は利用可能になる資金を配当金の増額に使ってはならないと、総裁とFPCはくぎを刺した。

  FPCは英資産への投資意欲の一段の低下など5つの重要リスクを「厳密に監視している」と説明した。経常赤字が過去最大に近い中で、投資家をつなぎ止めておけるかは重要になる。FPCはそのほか商業用不動産市場の価格と高債務を抱える世帯と家主の脆弱(ぜいじゃく)性、世界経済の見通し、金融市場の流動性を重要リスクと位置づけ、注目する。

  「見通しが展開するに伴い、金融安定を支えるために適切と考える追加措置を取る用意がある」と表明した。

  総裁はまた、利下げの可能性にも触れた。金融政策委員会(MPC)は14日発表の政策決定に向け、会合を今週開始する。低過ぎる金利がもたらす金融安定へのリスクも考慮に入れ慎重に判断することになるとの認識を総裁は示し、「不透明性の高い現在の環境では、いかなる金融政策も十分に狙いを定め、意図する結果と意図せざる結果の双方について生じうる可能性を熟慮する必要がある」と語った。

原題:Carney Sees Tougher Times on Brexit as BOE Eases Bank Rules (1)(抜粋)

(第2段落と最終段落に総裁発言を追加します.)
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