仕事あるだけ有り難く思え、賞与ゼロ幸運-ロンドン投資銀に逆風

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  • 今はボーナスではなく、雇用を維持できるかが鍵と人材あっせん業者
  • 「ドーナツ賞与」すなわち「賞与ゼロ」が今年は横行する見通し

「仕事があるだけ、ありがたいと思え」。ロンドンの投資銀行がバンカーに今年送るメッセージは、こうなりそうだ。

  銀行幹部や人材あっせん業者によれば、英国の欧州連合(EU)離脱の決定は、投資銀行のディールメーキングの逆風となるばかりでなく、行員の移転に伴う経費の増大を招き、今年のボーナス原資が少なくとも4分の1程度減ると予想される。しかし、その程度の幸運が得られないバンカーも出てくる。人事に関係することを理由に複数の銀行幹部が匿名を条件に語ったところでは、顧客の活動が上向かなければ、ロンドンで9月にさらなる人員削減が行われる可能性が高い。

  英銀HSBCホールディングスのダグラス・フリント会長は先週のインタビューで、英国のEU離脱がロンドンのバンカーの報酬を押し下げるかとの質問に対し、「収益の減少は報酬も減ることを意味する」と語った。

英EU離脱の影響を懸念する投資銀行(写真はHSBCのロゴ)

Photographer: Luke MacGregor/Bloomberg

  市場を動揺させた英国民投票の結果が、さらに投資に水を差す恐れもあり、激しいリストラの渦中にあるドイツ銀行や英銀バークレイズクレディ・スイス・グループといった欧州の銀行は新たな難題に直面する。その結果として、今年は「ドーナツ賞与」すなわち「賞与ゼロ」が横行し、コスト削減のために報酬の大掛かりな見直しが今後数年で行われるだろう。

  ロンドンの人材あっせん業者ケネディ・グループのジェーソン・ケネディ最高経営責任者(CEO)は「現実が姿を見せ始めるだろう。今はボーナスではなく、雇用を維持できるかどうかが鍵となる。状況が一変することになろう」と指摘。ボーナスの支給が全く期待できない人々も出てくるとの見方を示した。

  エグゼクティブのヘッドハンティングに携わるDHRインターナショナルのマネジングパートナー、ステファン・ランボソン氏も「英国のEU離脱に責任を押し付け、『仕事を失わないだけで本当に幸せだ』というメッセージを人々に発信する絶好のチャンスだ」と述べ、職域によってはボーナスが30%以上減る可能性もあると予想している。

原題:London Banker Bonuses Set to Shrivel as Brexit Hits Dealmaking(抜粋)

(ヘッドハンティング会社の幹部のコメントを追加して更新します.)
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