中国人起業家の世界的野心に待った-元PE専門家のネバダ州財務長官

  • 楽視網信息技術を創業した賈躍亭氏はネバダ州にEV工場建設を計画
  • 州財務長官は持ち株を裏付けとする資金調達計画を疑問視

中国のインターネットビデオ企業、楽視網信息技術を創業した賈躍亭氏は、世界的な野心を抱いている。

賈躍亭氏

Photographer: Imaginechina via AP Photo

  楽視網は今や時価総額150億ドル(約1兆5300億円)を誇り、ゴールドマン・サックス・グループの投資判断は買いだ。スマートフォン事業では米アップルに挑み、電気自動車(EV)分野ではテスラ・モーターズを追い抜きたい考えだ。

  起業家として成功した賈氏(43)が率いるファラデー・フューチャーはフェラーリやBMWから人材を採用し、米ネバダ州の知事からラスベガス北部に10億ドル規模の自動車工場を建設する計画への支持を取り付けた。

ファラデー・フューチャーのコンセプトカー

Photographer: David Paul Morris/Bloomberg

  だが問題がある。1人のキーマンから信頼を得ることができないでいるのだ。ネバダ州のダン・シュワルツ財務長官は送電線・水道・道路で当局の支援を必要とするプロジェクトであるこの工場の建設計画に関し、資金調達が可能かどうか疑問視している。

  長官は香港のプライベートエクイティ(PE、未公開株)調査会社の最高経営責任者(CEO)を務めていた。共和党から立候補し当選、2015年1月に州財務長官に就任した。長官が最も懸念しているのは賈氏の持ち株を担保とする融資だ。

  当局への届け出によれば、賈氏は楽視網の持ち分の87%を裏付けとして資金を借り入れ、それをまた複数の企業に再投資している。同社の株式は深圳市場で1-5月に売買が停止されていた。6月3日に取引が再開したがその後は値下がりしている。追い証が発生し、工場建設向けの資金調達の妨げになる恐れがあると長官は警戒している。

  シュワルツ長官は電話インタビューで、「そうなればどうなるか、お分かりだろう」と述べ、賈氏の「インターネット企業は成功したが、必要としている巨額の資金を生み出しているわけではない。どこから資金を得るつもりなのか」と指摘した。

アジアの投資家

  元バンク・オブ・アメリカの投資バンカーで、今は賈氏の企業向けのコーポレートファイナンスを担当しているウィンストン・チェン氏は、賈氏がファラデーに自己資金3億ドル余りを投じており、同社が数週間以内に外部からの資金を集める計画を発表することを明らかにした。資金調達規模は「意味のある」もので、アジアの投資家から資金を得ることになるだろうと説明。

  チェン氏はインタビューで、シュワルツ長官が「なぜカリフォルニアとネバダで高額報酬を支払う用意のある雇用を増やす機会を無駄にしようとするのか。首をかしげるばかりだ」と語った。

原題:Chinese Billionaire’s Plan to Beat Tesla Has a Vegas Problem (1)(抜粋)

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