行動期待できるのはECBのみ-ポピュリズム台頭でユーロ圏に試練

英国民が欧州連合(EU)離脱を選んでから、識者らは次に懸念される国はどこかと検証しており、この事実はEUが迎えつつある危機を浮き彫りにしている。ブルームバーグの調査によれば、統合深化を追求してきたユーロ圏の域内総生産(GDP)は英国の選択によって下押しされそうだ。

  ユーロ圏経済は景気拡大が続いているものの、失業率はまだ10%を上回り、ドイツやオランダなどではポピュリズム(大衆迎合)が台頭。成長鈍化は政治家を極端な方向に動かすリスクがあり、イタリアの銀行支援やEUの財政規定改革などの問題に疑念が残る中で、欧州中央銀行(ECB)だけが、行動する意思のある機関のように見える。

  バークレイズの欧州担当チーフエコノミスト、フィリップ・グダン氏(パリ在勤)は「ポピュリズムが今、欧州全域に広がる真の脅威だ。成長鈍化の環境が問題の解決を一段と難しくする。この悪循環から抜け出すには、欧州の将来への信頼という非常に強いメッセージを実業界に対して送る必要があるが、そうするための答えはまだ出ていない」と述べた。

  ECBは2016年のユーロ圏成長率を1.6%、17年を1.7%と予想。だがこれは6月23日の英国民投票前の想定だ。新たな見通しの公表は9月の予定。エコノミスト調査によると、英EU離脱でユーロ圏GDP伸び率は今年0.1ポイント、17年は0.3ポイント、18年は0.15ポイント押し下げられる見通し。

原題:Brexit Means Draghi’s ECB Seen as Euro-Area Rescuer Once Again(抜粋)

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