豪州の最上級格付けに暗雲-総選挙で勝敗つかず投資家は不安定

  • 豪州の10年国債利回りは上昇、豪ドルは一時0.8%安
  • どの主要政党も組閣に必要な議席数を確保できず-開票作業は継続

4日のオーストラリア国債利回りは上昇。2日投開票の豪総選挙ではどの主要政党も組閣に必要な議席数を確保できておらず、最上級の豪州格付けに対するリスクが高まる恐れがある。

  総選挙の結果がはっきりしないことで投資家は不安定な状態に置かれている。ターンブル首相率いる保守連合(自由党・国民党)と野党の労働党はいずれも下院(定数150)で過半数となる76議席を現時点で得ていない。開票作業は5日に再開され、同首相によると、結果は週末までに判明する見込み。少数政権となれば信頼感が低下し、財政政策の実施に苦しむ可能性がある。

豪総選挙で1票を投じるターンブル首相

Photographer: Jeremy Piper/Bloomberg

  豪国債価格は4日の取引で下落。シドニー時間午後0時52分(日本時間午前11時52分)現在、指標の10年国債利回りは3べーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.98%。同年限の米国債に対する利回り上乗せ幅は54bp。豪ドルは一時0.8%安の1豪ドル=0.7441米ドルに下げる場面もあったが、下げ幅を縮小し、ほぼ変わらずの0.7494米ドル。豪株価指標のS&P/ASX200指数は0.2%高。

  財政赤字拡大が豪州の「トリプルA」格付けに重しとなってきている。ムーディーズ・インベスターズ・サービスとS&Pグローバル・レーティング、フィッチ・レーティングスはいずれも豪州に最上級格付けを付与し、格付け見通しは「安定的」としている。

  ムーディーズのアナリスト、マリー・ディロン氏は「選挙結果がソブリン格付けに影響するのは、選挙後に全般的な政策の優先順位と政策遂行の有効性に変化が生じたときだけだ」と語った。同氏は財政再建が新政府にとっても引き続き重要な政策課題になると予想している。

  一方、フィッチのアナリスト、マービン・タン氏は電子メールで4日配布した資料で、「総選挙後、政府の財政運営能力と共に不安的な世界経済環境への対応の柔軟性を慎重に考慮する」とした上で、「財政赤字の持続的な拡大につながる政治の停滞は特に経済環境が悪化した場合、格付けへの下押し圧力になろう」と説明した。

  S&Pの広報担当リチャード・ヌーナン氏は4日の電話取材に対し、豪州の格付け見通しに関するコメントを控えた。

原題:Aussie Investors in Flux as Unclear Election Casts Doubt on AAA(抜粋)

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