ドル・円は102円台後半、株高が支え-米利上げ観測後退で上値は限定

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  • 一時102円80銭まで値を切り上げた後は伸び悩む展開
  • 米国が休場ということもあって株の動向に連れる動き-三井住友信託

4日の東京外国為替市場では、ドル・円相場が1ドル=102円台後半で推移した。世界的に株価の反発が続くなどリスクセンチメントの改善が支えとなった半面、米国の利上げ観測の後退から上値は限定的だった。

  午後3時55分現在のドル・円相場は102円72銭前後。朝方に102円43銭まで軟化した後、日本株の上昇を背景に午後に入り一時102円80銭まで値を切り上げた。しかし、リスク選好の動きから対資源国通貨でのドル売り・円売りが交錯する中、その後は伸び悩む展開となった。

  三井住友信託銀行マーケット金融ビジネスユニットの細川陽介為替セールスチーム長は、「ドル・円は米国が休場ということもあって、株の動向に連れる動き。英国も短期的には材料が出づらくなっている中で、次の材料を待つ形となっている」と説明。「円ロング(買い持ち)もたまっており、今週も株がしっかりするようであれば、クロス円(ドル以外の通貨の対円相場)主導で円売り方向の流れが続くか、ドル・円は103円半ばを再び試すかどうかが鍵になりそう」だと言う。

  4日の東京株式相場は反落して始まった後、プラスに転じ、日経平均株価は6日続伸となった。先週末の欧米株式相場も4日続伸となり、英国の欧州連合(EU)離脱決定ショックからの反発が継続。日本以外のアジアの主要株価指数も上昇している。

  一方、1日の米国債市場では10年物と30年物の利回りが一時過去最低を更新した。英国のEU離脱決定で世界的に経済成長が抑制されるとの見方や、米利上げが年内はできなくなるとの兆候が増えていることが背景。10年物利回りは1.38%前後まで低下する場面があった。

  細川氏は、「日欧は追加緩和期待がある中での金利低下だが、米国は利上げ先送り観測といった状況で、それに対して今の長期金利の水準が合っているかは見極めが必要」と指摘。その意味で、今週末発表される米雇用統計が「金利の水準観やそれに対する為替へのインプリケーションというところで鍵になりそう」と言う。

  米連邦準備制度理事会(FRB)のフィッシャー副議長は1日、米経済専門局CNBCのインタビューで、英国のEU離脱選択が米経済の先行きに与える影響について、米金融当局は時間をかけて判断すると述べた。ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査では、8日発表の6月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比17万5000人増が予想されている。5月は同3万8000人増とほぼ6年ぶりの低水準となり、米利上げ見通し後退のきっかけとなった。

  ブルームバーグのデータによると、円は主要10通貨全てに対して前週末比で下落。ポンド・円は1ポンド=135円台後半から一時136円台後半まで反発した。また、豪ドル・円は豪総選挙の接戦を受けて、週明け早朝に1豪ドル=76円台前半へ下落したが、その後77円台を回復した。

  2日投票のオーストラリア総選挙では既存の政治への国民の反発で与野党が大接戦となり、4日に入っても勝敗は明確になっていない。フィッチ・レーティングスのアナリスト、マービン・タン氏は電子メールで、「持続的な赤字拡大につながる政治の手詰まり状態は、特に経済環境が悪化した場合、格付けに下向き圧力をかける」とコメント。S&Pグローバル・レーティングは、予算をめぐって議会の行き詰まりが続き、1年前の予想ほど財政状況に広範な改善がなければ、豪州の格付けを引き下げる可能性があるとの見解を示した。

  豪ドルは早朝に対ドルで一時前週末比0.8%安の1豪ドル=0.7441ドルまで下落したが、その後反発し、午後には6営業日ぶり高値となる0.7523ドルを付けた。

  上田ハーロー外貨保証金事業部の小野直人氏は、「週明けは豪選挙結果が波乱含みとならなければ、特段のイベントが見当たらない中で、次なる材料待ちの展開になりそう」と指摘。ドル・円は英国民投票前のサポート水準だった103円半ばで上値の重さを確認した一方、日銀の緩和期待などもあり、すぐに下値を広げる感じでもなく、「直近は連動性は薄れているが、株価動向を眺めながら102円台を中心に次なる方向性を模索する動きが中心となりそう」とみていた。

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