SMBCなど事業融資債権の販売強化-新営業部隊、生損保に販売

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  • 銀行は案件組成、保険会社は長期投資が得意-SMBC
  • インフラ投資伸ばす、海外LNG債権でリターン1%超-第一生命

日本銀行の金融緩和でより高い利回りを求める動きが投資家の間で強まる中、大手銀行がプロジェクト向け融資債権の販売を相次いで強化している。銀行にとっては、貸出債権の増加を抑えることで、厳格化する資本規制に対応する効果もある。

  三井住友銀行は、メガソーラー発電所向けに組成した約52億円の融資債権の一部を証券化し、年度内に保険会社、地方銀行などの投資家に信託受益権を販売する。ローンの提供も含め専門的に手掛ける50人以上の営業部を4月に立ち上げ、次の案件の組成を年度内に予定している。三菱UFJ信託銀行では海外向け貸出債権を信託を通じて提供開始、新生銀行でもプロジェクト融資債権の販売を検討している。

  バーゼル3などの資本規制の導入が近づく中、償還期間が長い債権の保有はリスク資産の増大につながるため、国内大手行にとっては負担が大きくなっている。一方、国債金利が全ての年限で過去最低水準となる中で、利回りが出る商品への投資家需要は高まっており、銀行は案件組成に注力することで、手数料収入の獲得と資本増強を両立することができる。

  三井住友銀行ディストリビューション営業部の山田維祐部長代理は、「銀行は融資の組成は得意だが、長期で安定したローンを引き受けるのは保険会社の方が得意だ」と話す。また、海外の融資債権の地銀への販売も、「まだそれほど大きくないが、将来的には大きくしていきたい」と語った。

  三菱UFJフィナンシャル・グループも、海外企業に対しては貸出中心のビジネスモデルを脱却して、組成・販売を中心としたモデルにシフトするとしており、子会社の三菱UFJ信託銀は、海外シンジケートローンやプロジェクトファイナンス債権を基にした信託商品を販売すると2月に発表。

  三菱UFJ信託銀資産金融第1部の大澤達也課長は、同行の信託商品の特徴として「投資家のニーズに応じて同じ案件でも、好きなように、好きな金額で選んでもらえる」と指摘。「通常のシンジケートローンでは、募集開始から2-3週間で参加表明する必要がある」のに対して、投資の時期、期間、金額といった条件が調整可能なため、「より投資しやすくなっている」と話す。

海外ローンでも

  第一生命保険の債券部ストラクチャードファイナンスグループの西尾晃直次長は「総資産の7割が円の確定利付き資産だが、現状ではイールドが出にくい」と言う。同社は国内外でプロジェクト融資などへのインフラ投資を伸ばしており、現在の残高は約1000億円。

  第一生命は、国内ローンよりも利回り水準の高い米国の液化天然ガス(LNG)向けプロジェクト融資債権に信託受益権を通じて約35億円を投資。ドル建ての債権に対する為替ヘッジにも工夫を加えることで「1%台半ばの期待リターンを取ることができる」と西尾氏は語った。

(第5、6段落を追加しました.)
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