外国公務員への贈賄、日本政府は取り締まり強化を-OECDが直談判

  • 腐敗追放求める代表団が来日、アルゼンチンに次いで2カ国目
  • 法整備の必要があるとの指摘受けた-萩生田官房副長官

経済協力開発機構(OECD)贈賄作業部会のメンバーがこのほど来日し、日本政府に対して腐敗防止のための取り組みを強化するよう求めた。関係部局と協議したドラゴ・コス議長は6月30日、都内で記者会見し、日本は外国公務員への贈賄を規制する法制度に重大な欠陥があると指摘した。

  同議長は、今回の代表団の来日は日本政府に行動を促す「最後の手段」と述べた。OECDによると、日本で外国公務員への贈賄を違法とした不正競争防止法が改正された1999年以降、「外国贈賄」で起訴されたのはわずか4件。コス氏は、「日本経済の規模の大きさを考えると、われわれにとっては何かおかしいのではないかと考える明らかなシグナルだ」と語った。

  OECDによると、代表団は6月29、30日の2日間に外務省や経済産業省、法務省、警察庁、国税庁の高官と協議したという。

  萩生田光一官房副長官は1日の記者会見で、日本が批判されたとは承知していないと述べた上で、日本は1998年に外国公務員の贈賄防止条約を受託し、「条約の効果的な履行に積極的に取り組んできている」と説明。OECDからは「さらなる推進が必要との指摘を受けている」として、「履行強化のために努力をしていきたい」と述べた。また案件が少ないというよりは、「立法の整備の必要があるのではないかという指摘は受けたと承知している」と語った。

立法措置

  汚職や腐敗の防止を目指すNGO「トランスペアレンシー・インターナショナル」が2015年にまとめた報告書では、日本はOECDの取り決めを「ほとんどあるいはまったく実施していない」と評価され、ロシアと同じ分類となった。

  コス氏は会見で、日本政府は贈賄の利益を差し押さえたり、それと同等の効力を有する罰金を科したりするなどの立法措置を怠っていると指摘。日本政府の当局者は、今回の協議の中で、過去15年間に3回にわたって立法を試みたがいずれも達成できず、当面成立させる見通しも立っていないと説明したという。

  コス氏は、贈賄部会はこれまで日本政府に対して、書簡や文書で対応を促してきたが、今回のように最後の手段として代表団が直接訪問するのは、アルゼンチンに続いて日本が2件目だと語った。

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