ドル・円が102円台後半に反落、リスク回避一服も週末控え円買い優勢

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  • 早朝に一時103円39銭と1週間ぶり高値付けた後は水準を切り下げる
  • 上昇予測して買っている向きあまりいない-FXプライムbyGMO

1日の東京外国為替市場では、ドル・円相場が1ドル=102円台後半に反落。世界的な株価の反発などリスク回避の流れは一服しているが、世界経済の先行き不透明感がくすぶる中、積極的にリスクを取りに行く状況にはなく、週末を前に円を買う動きが優勢となった。

  午後3時25分現在のドル・円は102円70銭前後。欧米株の上昇を受けて早朝に一時103円39銭と1週間ぶりのドル高・円安水準を付けたが、その後じりじりと値を切り下げ、午後の取引終盤には102円68銭まで円買いが進んだ。

  FXプライムbyGMOの柳沢浩チーフアナリストは、ドル・円も英国の欧州連合(EU)離脱絡みで一時99円台に突入し、売られ過ぎ感があったため、この1週間ぐらいは戻り歩調になっているが、「ドル・円が上がると予測して買っている向きはあまりいないと思う」と指摘。株が堅調なのでリスクオンで円が売られている面はあるものの、米債利回りが下がり基調にあるということは米国の利上げはないと考えるべきだとの見方もできるとし、「手放しでドル・円を買える話ではない」と語った。

  日本銀行が発表した企業短期経済観測調査(日銀短観、6月調査)で、業況判断指数(DI)は大企業・製造業がプラス6(ブルームバーグ調査予想プラス4)と3月の前回調査と同じだった。非製造業はプラス19(同19)と3ポイント悪化。為替相場の前提は2016年度が1ドル=111円41銭。EU離脱を決めた英国の国民投票結果が判明した6月24日までに9割台後半の回答があり、投票結果はほとんど織り込まれていないと日銀調査統計局の中山興経済統計課長は説明した。

  また、朝方発表された5月の消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は前年同月比0.4%低下となった。4月から0.1ポイントマイナス幅が拡大し、市場予想と一致した。

  大和証券の亀岡裕次チーフ為替アナリストは日銀短観について、「全体的に予想を上回ったものの、方向性としては先行きの不安が示される内容」とした上で、「これを持って追加緩和観測期待が急速に高まったという感じではない。そうであれば円安に反応した」と指摘。「景況感が悪化しても、それを覆すほどの金融政策は難しいという見方はある」と語った。  

  中国国家統計局が1日発表した6月の製造業購買担当者指数(PMI)は50と、5月の50.1から低下し、ブルームバーグが調査したエコノミスト予想と一致した。6月の非製造業PMIは53.7。5月は53.1だった。

  前日の欧米株式相場は3日続伸。イングランド銀行(英中銀)のカーニー総裁が英国のEU離脱選択の影響に対処するため、 恐らく数カ月内に金融政策を緩和する必要があるだろうとの見解を示したほか、欧州中央銀行(ECB)が刺激プログラムにおける債券購入のルール緩和を検討していると一部で報じられたことが好感された。1日の東京株式相場も上昇し、日経平均株価は5営業日続伸となった。

  上田ハーロー外貨保証金事業部の小野直人氏は、世界の中銀が緩和傾向を強めるとの期待から、投資家のセンチメントがいくらか回復してきた感じはうかがえるが、「英国の政局混乱など世界的には投資家のリスクセンチメントが好転するような材料は、今のところ限られている」と解説。四半期末のドル資金需要もいったん落ち着き、「ドル・円は103円台の戻りでは売りたい投資家もいそう」と指摘していた。    

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