【債券週間展望】長期金利は低下か、緩和期待や好需給が継続との見方

  • 利回り低下余地を探る展開、追加緩和期待が相場支える-岡三証
  • 7-9月期入りで債券を買う動きになりやすい-三井住友アセット

来週の債券市場で長期金利は低下すると予想されている。2016年度下期入りで投資家からの買いが見込まれるなど需給環境が良好なことに加えて、日本銀行による追加緩和観測で金利に低下圧力が掛かりやすいことが背景にある。

  長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは1日、マイナス0.255%と過去最低水準を更新した。日本銀行が実施した長期国債買い入れオペの結果が好感されたほか、今月28、29日に開催の金融政策決定会合で追加緩和が決まるとの観測も根強く、買いが優勢となった。今週は新発2年物から40年物まで国債利回りが軒並み過去最低を記録した。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「来週も引き続き利回りの低下余地を探る展開になる」と予想する。「日銀の決定会合に向けて、追加緩和への期待感が相場を支える。今回はマイナス金利の小幅な拡大などがあっても不思議ではない」と語った。

  年度下期に入り、投資家の運用資金が流入しやすいことから、良好な需給環境が続くとの見方も出ている。三井住友アセットマネジメントの深代潤債券運用グループヘッドは、「7-9月期入りで運用資金もあり、債券を買う動きになりやすい」と述べた。

  財務省は5日、10年利付国債の価格競争入札を実施する。表面利率は据え置きの0.1%が見込まれている。発行額は前回と同額の2兆4000億円程度。7日には流動性供給入札を実施する。残存1年超から5年以下の国債が対象銘柄で発行額は2000億円程度となる。

  メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジストは、10年債入札について、「日銀トレードを意識した動きが中心となるが、それでもこの低金利下で、どの程度需要があるのかどうかが注目される」と話した。

  米国では8日に6月の雇用統計が発表される。ブルームバーグ予測調査によると、非農業部門雇用者数は前月比18万人増加が見込まれている。前月は3万8000人増加だった。メリルリンチ日本証の大崎氏は、「足元の動きでは海外金利の低下も寄与していることから、米雇用統計を受けた海外金利の動向も鍵になりそうだ」と話した。

市場関係者の見方
*T
◎三井住友アセットマネジメントの深代潤債券運用グループヘッド
*週前半は需給的に強い状況が続く見込み
*物価・景気の足踏み状態から低金利でも債券を買う需給が強い環境
*長期金利の予想レンジはマイナス0.27%~マイナス0.21%

◎メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジスト
*環境面ではグローバルに債券買いの基調が続きやすい
*10年債利回りがマイナス0.30%に下がるようであれば、20年債利回りがゼロ%になる可能性
*長期金利の予想レンジはマイナス0.30%~マイナス0.15%

◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト
*金融緩和期待と需給に支えられてしっかり
*米雇用統計を週末に控えているので、積極的に動く向きはいないのではないか
*長期金利の予想レンジはマイナス0.28%からマイナス0.20%
*T

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