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政井日銀委員:英EU離脱で経済の不確実性一層高まった-就任会見

  • 執行部の報告を受け他の委員とも議論して「見解を固めていきたい」
  • ファンダメンタルズを反映しないような為替の変動は望ましくない

日本銀行の政井貴子審議委員は30日夕の就任会見で、英国の国民投票で欧州連合(EU)離脱派が勝利したことを受けて、「世界経済全体の不確実性が一層高まった状況になっている」と述べた。今後の政策運営については、執行部の報告を受け、他の委員とも議論を行った上で「見解を固めていきたい」と述べるにとどめた。

  政井氏は世界経済の不確実性が一層高まった状況が長期化し、世界経済全体の成長が今後一層下方修正されれば、「日本の成長そのものへの影響や、家計や企業への心理的影響、物価動向への影響について、細心の注意を持ってみていかねばならない」と語った。

  為替相場については「過度な変動はさまざまな投資活動を停滞させるリスクを高める」ほか、「過剰なボラティリティが市場のストレスを高めやすい」と指摘。「経済のファンダメンタルズを反映しないような為替の変動は望ましくない」と述べた。

  マイナス金利の評価については「執行部の報告を参考にし、他の委員と十分に議論を重ねた上で、見解を固めていきたい」と述べた。追加緩和の必要性や2%物価目標の是非などについても、「今後の政策うんぬんについては、これからきっちり理解を深めた上で、見解を固めていきたい」と繰り返した。

マイナス金利に反対した石田氏の後任

  政井氏はマイナス金利の導入に反対した石田浩二氏の後任。政井氏は1988年3月に実践女子大文学部を卒業、同11月にノバスコシア銀行に入行。トロント・ドミニオン銀行やクレディ・アグリコル銀行を経て、2007年3月に法政大学大学院経営学研究科修士課程を修了、同5月に新生銀に入行した。キャピタルマーケッツ部長、市場営業部長などを経て、13 年4月に同行初の女性執行役員に就任した。現在51歳。

  日銀最高意思決定機関である政策委員会の定員は正副総裁3人と審議委員6人の計9人。日銀は1月29日の金融政策決定会合でマイナス金利導入による追加緩和を5対4の賛成多数で決めた。石田氏はこの時に反対した1人。同じく反対した白井さゆり氏は3月31日付で退任しており、石田氏退任後はマイナス金利に反対したのは木内登英、佐藤健裕両委員だけとなる。

  政策委では昨年6月に退任した森本宜久審議委員の後任にトヨタ自動車相談役の布野幸利氏、昨年3月に退任した宮尾龍蔵審議委員の後任にリフレ派エコノミストの原田泰元早稲田大学教授がそれぞれ就任している。原田、布野両委員と黒田東彦総裁、岩田規久男、中曽宏両副総裁はマイナス金利に賛成した。

  政井氏は「これまで30年近く外国為替市場を中心にさまざまな現場経験を積んできた」とした上で、そうした現場経験を生かし、「金融政策を通じて日本経済の発展に多少なりとも貢献して行ければと考えている」と述べた。

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