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債券上昇、2年~10年利回り過去最低更新-オペ結果や緩和観測受け

更新日時
  • 長期金利はマイナス0.26%、先物は史上最高値を更新
  • 新発2年債利回りマイナス0.335%、5年債利回りマイナス0.36%

債券相場は上昇。新発2年物、5年物、10年物の国債利回りが過去最低水準を更新し、先物は史上最高値を付けた。日本銀行が実施した国債買い入れオペの結果が好感されたほか、根強い追加緩和観測を背景に買いが優勢となった。

  1日の長期国債先物市場で中心限月9月物は、前日比8銭安の152円84銭で取引を開始。すぐに水準を切り上げ、一時153円37銭を付け、過去最高を更新。結局40銭高の153円32銭で引けた。夜間取引では153円40銭とさらに水準を切り上げた。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の343回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より1.5ベーシスポイント(bp)高いマイナス0.22%で取引を開始。その後は水準を切り下げ、マイナス0.26%まで低下し、過去最低を付けた。新発2年物の366回債利回りはマイナス0.335%、新発5年物の128回債利回りはマイナス0.36%と、ともに最低水準を更新した。

  JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジストは、「日銀オペで長期・超長期ゾーン減額があったばかりで、まさか今日こんなに金利が下がるとはやや驚きだ」と指摘。「今日のオペの結果は強かったが、世界的に株価が持ち直しており、債券をどんどん買い進める真新しい材料が出て来たわけではない。新たな四半期の初めからこんなに買わなくても、というほどの強い地合いだ」と話した。

新発10年物の343回債利回り推移

  新発20年物の157回債利回りは1bp高い0.075%で開始後、買いが入って0.04%と過去最低水準に並んだ。新発30年物の51回債利回りは1.5bp高い0.14%に上昇して開始後、0.09%まで戻す場面があった。

  三井住友アセットマネジメントの深代潤債券運用グループヘッドは、「いったん超長期債利回りがゼロ%に近づいて調整があるかと思っていたが、月初でもあり、比較的しっかりしている」と指摘。「企業短期経済観測調査(短観)など景気指標はそれほど悪くない。ただ、為替の前提を考えると先行きの不透明感が残る状況は改善していない。緩和的な金融政策の長期化が見込まれている。債券を外せない状況」と話した。

  日銀が午前発表した短観(6月調査)は、大企業・製造業の業況判断指数がプラス6と前回調査から横ばいとなった。非製造業はプラス19と3ポイント悪化。先行きは製造業がプラス6、非製造業はプラス17。欧州連合(EU)離脱を決めた英国の国民投票結果が判明した6月24日までに9割台後半の回答を得ており、投票結果はほとんど織り込まれていないと日銀調査統計局の中山興・経済統計課長は説明した。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「短観の結果は英EU離脱派の勝利を織り込んでいないし、水準は市場予想の範囲内」と分析。「英国は金融緩和するといっているし、EUも緩和しそうだし、日本は円高進行で企業益の先行き不透明感が強い中で追加緩和観測は続くので、債券を売れる人はいない」と話した。

日銀国債買い入れオペ

  日銀がこの日に実施した今月1回目の長期国債買い入れオペの結果によると、残存期間「1年超3年以下」の応札倍率が2.47倍と前回から低下した。一方、「3年超5年以下」が2.27倍、「5年超10年以下」が2.91倍にやや上昇したものの、2倍台にとどまった。

  日銀が6月30日に発表した「当面の長期国債買い入れの運営」によると、7月最初のオペで残存期間「5年超10年以下」が4300億円、「10年超25年以下」が2000億円、「25年超」が1200億円と、いずれも前回のオペから200億円ずつ減額となった。一方、「1年超3年以下」が3750億円と250億円の増額。「1年以下」、「3年超5年以下」、物価連動債、変動利付債は変更がなかった。

  三菱UFJ信託銀行資金為替部商品課の鈴木秀雄課長は、「今日は想定外に強い相場。昨日の時点で、日銀オペの減額が織り込まれていたようだ。オペについても、今までは額面ベースが注目されていたが、購入金額ベースでのマネタリーベースの増加ということが浸透し、過去の減額を経ても日銀の購入姿勢に変化がないことが理解されてきたということだろう」と分析。「今日はそういう中で超長期債に買いが入ったことが主導し、全体的にショートカバーが強まっている。日銀オペがしっかりだったことも金利低下に寄与している」と述べた。

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