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ロンドンの輝きめぐって早くも争奪戦-独仏が狙う金融インフラの要

  • もはや英国では不可能な業務-オランド仏大統領
  • フランクフルトにパリが勝てると思うなら幻想-独首相の側近

国民投票で欧州連合(EU)離脱を決めた英国抜きのEU首脳会議から1日もたたないうちに、フランスとドイツは英経済を輝かせてきた事業の一つを争奪する前哨戦を始めた。その事業とは、ユーロ建てのデリバティブ(金融派生商品)取引の決済だ。

  オランド仏大統領は29日、ユーロ建て取引の決済業務はフランスのようなユーロ参加国が担うと発言。「もはや英国では不可能な業務に対する準備が欧州金融市場に整うことを期待する」とブリュッセルで発言した。これに対してドイツ当局者は、欧州中央銀行(ECB)やドイツ取引所傘下のデリバティブ取引所ユーレックスの本拠があるフランクフルトにパリが勝てると思うなら、それは幻想だと反論した。

  メルケル独首相が率いる与党キリスト教民主同盟(CDU)の幹部、ミヒャエル・フックス氏はインタビューで、ロンドンから「この市場がパリに移るとオランド大統領が思っているなら、甘い考えだろう。移転先はフランクフルトの可能性もある」と述べた。

Germany's Chancellor Angela Merkel Holds News Conference With France's President Francois Hollande And Italy's Prime Minister Matteo Renzi

オランド仏大統領(左)とメルケル独首相

Photographer: Krisztian Bocsi/Bloomberg

  決済は金融市場インフラの極めて重要な部分。この業務を担ってきたロンドンの企業に利益をもたらしてきたほか、担保の管理や法務関連業務、トレーディングなどさまざまなサービスを引き寄せてきた。このようにうまみのある決済業務があまりにロンドンに集中しているため、ECBはその中心をユーロ圏に移そうとしたほどだ。もっとも、オズボーン英財務相は異を唱えて提訴。ECBは昨年敗訴し、欧州の金融センターとしてのロンドンの地位は強化された。

  国民がEU離脱を選択したとはいえ、英国は現在もEUの一員。EUとの協議が続く少なくとも向こう2年は、自国の権限に関して主張できるはずだ。ただし、国民投票の結果を受けて、主張してもどの程度の効果があるかどうかは不明だ。もっとも、ユーロ建て決済の中心をロンドンから移転する実行可能性も不明。既に米国やスイスでも決済が行われているほか、フランクフルトにあるユーレックスは一部ポンド建て資産の決済も行っている。

原題:Paris, Frankfurt Are Already Jockeying for City’s Brexit Spoils(抜粋)

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