物言うヘッジファンド、東芝-東芝プラ親子改善迫る-公平株主還元を

香港のヘッジファンドであるオアシス・マネジメント東芝に対し、連結子会社の東芝プラントシステムとの親子関係の改善を求めている。グループ間のキャッシュの管理方法を見直し、東芝プラがより公平に株主還元をできるようにすることを狙ったものだ。

  オアシスが昨年12月に両社へ送った書簡をこのほどブルームバーグ・ニュースが入手した。この中でオアシスのセス・フィッシャー最高経営責任者(CEO)は東芝に対し、東芝プラから預かる余剰現金を返還し、全ての株主に対等に還元する方針への転換を要求。さらに、親会社として子会社のガバナンス問題に対処し、東芝プラの独立性を高めるよう促した。

  東芝プラに対しては、東芝との関係持続を支持する一方、深刻な問題が生じているとも指摘。売掛金の支払い条件が緩いグループ預け金に莫大な現金を振り向けていることは不公平な形での東芝支援につながっており、東芝プラの少数株主利益に値しないとの見解を示した。その上で、余剰資金を成長に向けた新規投資、公平な株主還元に回すべきとしている。

東芝の企業ロゴ

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  東芝プラの有価証券報告書によると、2016年3月期末の利益剰余金は947億円、現金・現金同等物残高は916億円。これに対し、親会社の東芝との資金取引に関する契約に則ったグループ預け金は前の期比35%増の828億円だった。東芝プラ株の所有割合は筆頭株主の東芝が59.6%、オアシスは4.1%で2位となっている。

  フィッシャー氏はブルームバーグの取材に対し書簡の存在を認め、15年年央から東芝プラに対しエンゲージメント(対話)をしていると説明。「東芝プラの現金管理の方針と実務を見直し、大株主に過度な現金を渡して少数株主に不利益をもたらすことをやめるよう求めてきた」と電子メールでコメントした。東芝プラは自ら現金を管理すべきであり、より生産的に、自社と全ての株主の利益のために現金を使うべきだとしている。

  東芝プラ広報担当の田村昌之氏はブルームバーグの取材に対し、オアシスからの書簡の受理について「公表していない。株主からの要求があれば、話し合いをしていく」と回答。東芝広報・IR部の槻本裕和氏は、「個別の案件についてはコメントを差し控える」と述べた。

  オアシスは14年にもゲーム機・ソフトメーカーの任天堂に対し、スマートフォンやタブレット端末向けに「スーパーマリオ」などのソフトを供給するよう戦略転換を求めた経緯がある。任天堂は翌年3月、ディー・エヌ・エーと資本業務提携し、スマートデバイス向けにゲームアプリを提供することを決めた。また、オアシスは電子部品メーカーの京セラに対しても、保有するKDDI株全ての売却と売却額の半分に当たる約5000億円の株主還元を要求している。

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