5月鉱工業生産は2.3%低下-3カ月ぶりに低下、市場予想下回る

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  • 化粧品など化学が大幅減、輸送機械は増-生産は一進一退と経産省
  • 6月の予測指数は1.7%上昇、7月も1.3%上昇

5月の鉱工業生産指数(速報値)は前月比で3カ月ぶりに低下した。熊本地震の影響で前月に減少した自動車部品など輸送機械は増加に転じたものの、逆に好調だった化粧品などの化学が反動減となり全体を押し下げた。

  経産省が30日発表した生産指数は2.3%低下した。ブルームバーグが集計したエコノミストの予想中央値は0.2%低下だった。同省は「総じてみれば、生産は一進一退で推移している」との判断を据え置いた。5月の出荷指数は2.3%低下、在庫指数は0.3%上昇。先行きの予測指数は6月が1.7%上昇、7月が1.3%上昇となっている。

  第一生命経済研究所の新家義貴主席エコノミストは発表後のリポートで、化学以外の業種でも全体的に低迷が目立っており、「基調として生産活動が停滞していることが示されている」と分析。円高の進行に伴う輸出や企業収益の減少、企業マインドの悪化などが懸念されることから、「生産がこの先下振れるリスクも相応に高まっている。一気に景気後退色が強まる可能性も否定できない」とみている。

  生産指数を品目別にみると、化学が7.5%減、掘削機械、プレス用金型などはん用、生産用、業務用機械が2.2%減など低下に寄与した。化学のうち化粧品が7.7%減、有機薬品は11.6%減と減少幅が大きかった。上昇したのは、輸送機械が0.7%増、パソコンなどの情報通信機械が3.9%増など。

  輸送機械は産業車両が2.8%増、バスが1.2%増と増加。普通乗用車も0.2%増となっており、同省では熊本地震で影響を受けた自動車のサプライチェーンが回復していると説明した。一方で、軽乗用車は11.8%減と大幅に減少しており、燃費不正問題の影響を原因に挙げた。

  三菱自動車は4月20日、車両の燃費試験データで、燃費を実際よりよく見せる不正操作があったと発表。同日から対象となった軽自動車の生産・販売を停止した。同社は7月1日に販売、同4日に生産を再開する。スズキも合計26車種で国の規定と異なる燃費測定方法があったと発表した。

  4月は地震の影響で乗用車やトラックを中心に輸送機械が大幅に下振れしたが、化学や電気機械が好調で、全体では0.5%の上昇(確報値)となった。予測調査では5月は2.2%の上昇が見込まれていた。

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