TOPIXが小反落、内需中心に値下がり銘柄多い-進まぬ円安重し

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30日の東京株式相場は終盤に失速し、TOPIXは小幅反落。英国の欧州連合(EU)離脱ショックから世界の金融市場が冷静になりつつある中でも、為替市場では明確な円安が進まず、投資家心理の重しとなった。医薬品や水産、小売など内需株、繊維や輸送用機器株が安い。

  東証1部の騰落銘柄数は値下がりが優勢だったが、海外原油市況の続伸を受け、鉱業や石油など資源株は上げ、証券や保険など金融株、機械株も堅調。日経平均株価はかろうじてプラスを維持し、1カ月ぶりの4日続伸となった。

  TOPIXの終値は前日比1.87ポイント(0.2%)安の1245.82、日経平均株価は9円9銭(0.1%)高の1万5575円92銭。

  JPモルガン・アセット・マネジメントの重見吉徳グローバル・マーケット・ストラテジストは、「不確実性は続いても、金融危機が起こる状況ではなく、英EU離脱の他国への波及も当面防げている」と指摘。ただし、今後の成長停滞や業績見通しの下方修正リスクなどを踏まえると、「フェアな水準まできた」とし、為替については「米国の2回目の利上げはないと織り込まれている水準。見方が大きく変わらないと、円安方向に推移する感じではない」と話した。

  英国を除くEU27カ国の首脳らは29日、英国の秩序ある離脱を呼び掛けた。不安定化を最低限に抑えることを目指す一方、同日の会議では具体的な決定を下さず、9月にスロバキアの首都ブラチスラバで臨時サミットを開くことで合意した。

株価ボードと歩行者(東京)

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  英EU離脱ショックが和らいだ29日の欧米株は連騰、ニューヨーク原油先物も4.2%高と大幅続伸するなど世界の金融市場の落ち着きを好感し、この日の日本株は続伸して取引を開始。日経平均は朝方に一時200円以上上げた。その後伸び悩む中でも堅調に推移したが、24日急落分(1286円)の半値戻しを達成していたこともあり、売り圧力の高まりで大引けにかけ失速した。

  午後のドル・円相場はおおむね1ドル=102円50銭ー80銭台で推移。早朝には一時1ドル=103円2銭と4営業日ぶりのドル高・円安水準に振れる場面があっただけに、市場参加者の間でドルの戻りの鈍さが徐々に意識される格好となった。高木証券の藤井知明企業調査部長は、ドル・円相場は1ドル=102円台で推移し、「落ち着いてきてはいるが、業績予想の下方修正リスクは大きいという水準で、本腰を入れて買うにはまだ警戒感がある」と話していた。

  東証1部33業種は繊維、水産・農林、医薬品、パルプ・紙、空運、金属製品、輸送用機器、小売、鉄鋼、食料品など20業種が下落。鉱業や石油・石炭製品、証券・商品先物取引、ゴム製品、倉庫・運輸、機械、ガラス・土石製品、保険、その他金融など13業種は上昇。東証1部の売買高は21億2956万株、売買代金は2兆2611億円、上昇銘柄数は861、下落は968。

  売買代金上位ではトヨタ自動車やマツダ、セブン&アイ・ホールディングス、花王、エーザイ、ニトリホールディングス、アルプス電気、第一三共、味の素が安く、ダブル・スコープは急落。半面、ブイ・テクノロジーやファナック、東京エレクトロン、ダイキン工業、第一生命保険、日東電工、コメダホールディングス、ディー・エヌ・エーは買われ、大和証券が投資判断を上げた三菱重工業も高い。

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