米モルガンSは資本計画の再提出必要-FRBストレステスト

更新日時
  • モルガン・スタンレーは条件付き承認、30行は合格
  • ドイツ銀とサンタンデール銀の米子会社は不合格-広範な弱点

米連邦準備制度理事会(FRB)は29日、金融機関に対するストレステスト(健全性審査)の包括的資本分析(CCAR)の結果を公表した。FRBは30行の資本計画を承認し、モルガン・スタンレーは株主還元について条件付きで承認を得た。外銀の子会社2社は不合格となった。

  FRBによると、モルガン・スタンレーは12月29日までに内部システムの強化と資本計画を再提出する必要がある。ドイツ銀行とスペインのサンタンデール銀行の米部門は資本管理の計画で「広範囲にわたるかなりの弱さ」があるとして、再び不合格とした。米M&T銀行は株主還元計画を調整した後で承認された。

  FRBは「モルガン・スタンレーの資本計画には重大な弱点が示された」とし、具体的シナリオの設定方法での不備やモデル化での欠点、関連する企業統治や管理の問題に言及。「こうした弱点は短期的に一層の注意を必要とするものの、定量的結果を損なうものではない」と説明した。

モルガン・スタンレー株のボード(20日)

Photographer: Michael Nagle/Bloomberg

  年次審査は2008年のような金融危機が再発して公的資金による銀行救済を行う事態を避けるためのFRBの戦略の要。29日の結果は今年のストレステストの後半部分で、金融機関が損失に耐えながら配当や自社株買い、企業買収を引き続き実施できるかどうかを判断したもの。

  FRBの審査結果を受け、銀行から資本計画の発表が相次ぎ、多くの銀行が株主還元の大幅拡大方針を表明した。

  モルガン・スタンレーは四半期配当を33%引き上げて1株20セントとすると発表した。これはアナリスト予想を2セント上回る。同社は向こう4四半期で最大35億ドル(約3600億円)相当の自社株買いを行う計画も明らかにした。ジェームズ・ゴーマン最高経営責任者(CEO)は発表文で、FRBの懸念に全力で対処し、当局の要求に応えられると述べた。

  JPモルガン・チェースは配当を1株48セントに据え置き、自社株買いを昨年発表した64億ドルから106億ドルに増額する方針だと発表した。シティグループは配当を3倍強の16セントと、アナリスト予想を1セント上回る水準とし、86億ドル相当の自社株買い計画を明らかにした。

  モルガン・スタンレーとJPモルガンの株価は時間外取引で上昇。ニューヨーク時間午後5時17分(日本時間30日午前6時17分)現在、両行とも1.3%高。シティグループは2.5%高。

  FRB当局者が29日の電話会議で記者団に語ったところによれば、審査に合格した金融機関は全体では、向こう4四半期の予想利益の約65%を株主還元に充てる計画。

  先週FRBは、ストレステストを受けた33行全てが、急激で長期にわたる不況に見舞われても損失を吸収できる十分な資本を備えているとの審査結果を発表した。ストレステストの前半部分について対象行がそろって合格したのは2年連続だった。資本計画を考慮しない同審査では、モルガン・スタンレーは資本の主要指標で他行に後れを取った。同行のレバレッジ比率は4.9%と、最下位に並び、最低基準の4%まであと1ポイント以内の水準だった。

  イエレンFRB議長は今月の議会証言で、ストレステストのプロセスには「重要な変革」が間もなく行われると発言しており、来年の審査はさらに厳しくなる可能性がある。

  
原題:Morgan Stanley Must Resubmit Capital Plan in Fed Stress Test (2)(抜粋)

(5段落以降を追加して更新します.)
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