欧州債:スペイン債上昇-英EU離脱選択でECBが支援継続との観測

29日の欧州債市場ではスペイン国債が上昇し、10年債利回りは約1年ぶりの低水準を付けた。

  英国が欧州連合(EU)離脱を選択したことを受け、インフレ期待指数が過去最低に沈み、欧州中央銀行(ECB)が資産購入プログラムを拡大するとの見方が広がった。これが高リスク資産の支援材料となった。低インフレは国債償却の価値を高める一方で、ECBによる2%弱のインフレ目安達成を妨げるためだ。

  みずほインターナショナルの金利戦略責任者、ピーター・チャトウェル氏(ロンドン在勤)によれば、英国のEU離脱ショックが物価上昇圧力を押し下げ、世界景気見通しは悪化、米国から日本まで緩和策が織り込まれつつあることから、欧州の重債務と大きな赤字を抱える諸国の信用力の低さをめぐるリスクが看過されている。

  チャトウェル氏は「ECBは9月にプログラム拡大と利下げを余儀なくされるだろう。こうした措置が周辺国債にもたらす意味を考えた場合、当然のことながら支援材料となる」と発言。「低成長と弱い物価上昇圧力が債務の持続性に関する問題を再び提起することについては、市場は織り込んでいない」と付け加えた。

  ロンドン時間午後4時50分現在、スペイン10年債利回りは前日比6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.26%。一時は1.23%と、2015年4月以来の低水準となった。同国債(表面利率1.95%、2026年4月償還)価格は0.55上げ106.38。イタリア10年債利回りは3bp低下の1.37%。前日までの2営業日で16bp下げていた。

  ドイツ国債は伸び悩んだものの、15年債まで利回りがゼロを割り込んだ。

  インフレ期待の指標としてドラギ総裁が重視する5年先スタートのインフレスワップ5年物フォワードレートは1.32%。27日には1.257%と、ブルームバーグがデータ集計を開始した2004年以来の低水準に沈んだ。

  ブルームバーグがまとめた先物データによれば、ECBが9月に利下げする確率は48%、年末までの確率は74%となっている。

原題:Brexit Threat to Euro-Area Inflation Becomes Bondholders’ Boon(抜粋)

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