EU首脳、秩序ある英離脱求める-歴史に残る「英国なし」サミット

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  • EUは単一市場へのアクセスについて姿勢を硬化させた
  • 首脳らは何が悪かったのか、何が原因かの熟考を開始

欧州連合(EU)首脳らは英国の「秩序ある」離脱を呼び掛けた。不安定化を最低限に抑えることを目指す。離脱を決めた英国が参加しない歴史的なサミットで首脳らは、この衝撃的な出来事から学び欧州市民にもっと役立てるEUになると誓った。

  首脳らは英国の決定に遺憾の意を表明した後、域内第2位の経済大国を欠いた新たなEUの計画立案に着手した。英国との今後の関係についての交渉は同国が正式に離脱を通告するまでは始まらないと付け加えた。

  レンツィ・イタリア首相は記者団に「欧州は英国に対して怒りをもって接するべきではないが、明瞭な姿勢を示す必要がある」と記者団に語った。

EU首脳会議に臨むメルケル独首相(29日)

Photographer: Jasper Juinen/Bloomberg

  27カ国の首脳は29日の共同声明で「英国のEU離脱を秩序ある形でまとめる必要がある」とした上で、離脱の手続きを開始するのは英国側であり新首相の就任まで待つことはできるものの「可及的速やかに行われなければならない」と表明した。

  ブルームバーグが先に入手した草稿よりも強い表現となっている。草稿では「不透明な時期の長期化を避けるため、通告が迅速に行われることが望ましい」としていた。

  英政府当局者によると、キャメロン英首相は28日の夕食会での報告の中で、英国への移民の減少につながる合意を拒否されたことが国民投票での残留派の敗北につながったとの見方を示し、将来英国との緊密な経済関係を望むなら、移民問題の対応を検討する必要があると述べた。

  こうした発言はドイツのメルケル首相とフランスのオランド大統領の態度を硬化させ、人の移動の自由を認めないならば単一市場へのアクセスはないとの立場での協調につながったとEU当局者が述べた。

  「交渉の結論として、英国が単一市場へのアクセスを望むならば、英国は全ての規則と義務を受け入れなければならない」とオランド大統領が記者団に語った。スウェーデンのロベーン首相もモノとサービス、資本と人という4つの「移動の自由」がなければ単一市場へのアクセスはないと言明した。  

  キャメロン英首相は28日夜、残念だという声に送られてブリュッセルを去った。残された首脳27人は29日も会議を続け、EUは新しいページに一歩を踏み出した。フランス、ドイツ、オランダは2017年に総選挙を控えており、多くの首脳は英国の選択で反EU勢力が勢い付くことを懸念している。

  首脳らは「英国民投票の結果はEUに新しい状況を生み出す。欧州市民は安全と繁栄、明るい未来への希望という点でわれわれにより多くのことを望むだろう。われわれは期待に応えなければならない」と決意を示した。

  29日の会議は具体的な決定を下す場ではなく、首脳らは「未来に関する政治的熟慮」を開始し、9月にスロバキアの首都ブラチスラバで臨時サミットを開くことで合意した。それまでには英国との新たな関係についてより明瞭な見通しが立つことを期待している。

原題:EU Calls for ‘Orderly’ Brexit at Historic Meeting Minus U.K. (1)(抜粋)

(会議終了に伴い首脳発言と最終共同声明を追加します.)
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