債券下落、オペ減額観測で超長期中心に売り-英EU離脱の影響一服も

更新日時
  • 20年債利回り0.07%に上昇、30年と40年債利回りは0.1%台乗せ
  • 英EU離脱の影響も落ち着いてきた感がある-パインブリッジ

債券相場は下落。英国の欧州連合(EU)離脱の影響をめぐる懸念の緩和で、米国債相場が続落した流れを引き継ぎ、売りが先行した。日本銀行の国債買い入れオペで超長期ゾーンが来月から減額される可能性への警戒感も売り材料となった。

  30日の現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の343回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より、1ベーシスポイント(bp)高いマイナス0.23%を付けている。新発20年物の157回債利回りは2.5bp高い0.07%と27日以来の高水準。新発30年物の51回債利回りは一時6bp高い0.145%と24日以来の水準に達し、その後0.125%に戻した。新発40年物の9回債利回りは2bp高い0.12%で取引された。

  パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は、超長期債について、「今夕の発表でオペの減額懸念も強く、重たい状況になっている」と指摘した。「来月末の日銀会合では追加緩和の決定がなされるのではないかと思っている。ただ、まだ1カ月もあり、英国のEU離脱の影響も落ち着いてきた感があり、上値を追う感じではない」と話した。

  長期国債先物市場で中心限月9月物は、前日比8銭安の152円90銭で開始し、152円88銭まで下落した。午後1時半すぎに水準を切り上げ、一時は153円01銭と前日に記録した過去最高値に並んだ。取引終了にかけて再び売られ、結局6銭安の152円92銭で終えた。

  BNPパリバ証券の藤木智久チーフ債券ストラテジストは、「ここまで超長期債を中心にラリーしてきたが、英EU離脱選択ショックの一服を受けた世界的な株高の中で、リスク回避の短期的な修正が入った。超長期利回りはゼロ%が市場、日銀の双方にとって一つの目安となる水準でもある」と話した。「今夕に公表される来月の長期国債買い入れ予定で、超長期ゾーンに変更があるか、注目したい」と言う。

  29日の米国債相場は続落。米10年債利回りは前日比5bp上昇の1.52%程度で引けた。欧米株式相場が堅調に推移したことが売り材料となった。欧州株の指標となるストックス欧州600指数は3.1%上昇、S&P500種株価指数が1.7%高で引けた。

国債買い入れ運営方針

  日銀はこの日の午後5時に当面の長期国債買い入れの運営方針を発表する。7月の最初のオペ金額を提示するほか、7月中の実施頻度や買い入れ総額のレンジなどを示す。日銀は前回の運営方針で、超長期ゾーンの残存期間「10年超25年以下」、「25年超」をともに1回当たり200億円ずつ減額しており、今回も変更があるかどうかが注目されている。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラテジストは、超長期国債の買い入れ額変更の背景として、「金利低下により日銀保有国債の時価が上昇し、年間80兆円増に必要な買い入れ国債が減ったことや、国債買い入れが限界に近付いていることを念頭に置いたオペ柔軟運営の一環」だと指摘。「こうした見立てが正しければ、7 月分もリスクは減額方向にある」とみている。 

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE