英国民投票での予想外の欧州連合(EU)離脱決定を受けて、米国の年内利上げ観測が後退したことなどを背景に、野村証券をはじめ金融機関からドル・円相場予想の下方修正が相次いでいる。

  野村証券の池田雄之輔チーフ為替ストラテジストは28日付のリポートで、2016年末のドル・円見通しを1ドル=104円と、従来の122円から大幅に引き下げた。英国の国民投票で予想に反してEU離脱との結果になったことや、米国の利上げシナリオが大幅に後退していることを主な理由に挙げている。

年末のドル・円予想英国民投票前英EU離脱選択後修正幅
野村証券122円104円18円
みずほ証券112円97円15円
三菱UFJモルガン・スタンレー証券104円100円50銭3円50銭
スタンダード・チャータード銀行120円100円20円
HSBCホールディングス115円95円20円
シティグループ111円104円7円

  英国民投票の結果がほぼ判明した東京時間24日午前。ドル・円相場は一時99円02銭と、13年11月以来の水準までドル安・円高が進行した。同日の円の上昇幅は1998年10月以来で最大を記録した。29日にかけては円買いに一服感が出ているものの、過去1年間の一日平均116円台後半と比べると14円余りの円高水準となっている。

  ブルームバーグが米国のフェデラルファンド(FF)金利先物を基に算出した年末までの利上げ予想確率は、28日時点で10%以下。英国のEU離脱投票結果が出る前日の23日時点では50%程度と見込まれていた。

  みずほ証券金融市場調査部の山本雅文チーフ為替ストラテジストは、24日にいち早くドル・円相場の予想を下方修正し、年末にかけて95円、一時的に90円方向への下落もあり得るとの見通しを示した。

  山本氏はブルームバーグのインタビューで、英国のEU離脱選択を受けて、米利上げに関してはゼロの可能性が高まるなど、「前提を変えなくてはならなくなった」と指摘。「今年はテールリスクだと考えていたことというのがかなり起きてきている」とした上で、「政治的イベントに対して楽観できないムードの中、リスクを取りにくい環境が続く。ドル・円は下がりやすくなった」と話した。

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