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「引き返す道ない」と独首相、他首脳も厳しい姿勢-内憂外患の英国

更新日時
  • 英国民は離脱選択の「結果に直面を」と仏大統領
  • スコットランド首相は欧州委員長と会談へ

キャメロン英首相は28日の欧州連合(EU)首脳会議で、先週の英国民投票でEU残留派が勝利しなかったことに遺憾の意を示した。他の首脳らは英国がもはや引き返すことはできないとの見解を示した。

  ドイツのメルケル首相はブリュッセルで開かれた首脳会議後に記者団に対し、「今夜時点で、英国のEU離脱選択から引き返す道は見当たらない」と述べ、「希望的観測に時間を使う余裕はなく、むしろ現実を把握すべき時だ」と語った。

  各国首脳はキャメロン首相に対し、英国がEU離脱メカニズムを正式に発動させるまでの期間が長引けば、将来的な関係に関する協議の開始を阻むことになると警告した。これに対しキャメロン首相は、不確実性を引き起こしていることを認めながらも、それは次期首相の仕事だと述べ、本国で発したメッセージを繰り返した。

European Union Leaders Attend Summit Following UK Referendum

メルケル独首相

Photographer: Jasper Juinen/Bloomberg

  英政府当局者によると、キャメロン首相は夕食会での報告の途中、他の加盟27カ国の首脳らに対し、英国への移民の減少につながる合意を拒否されたことが国民投票での残留派の敗北につながったとの見方を示し、将来英国との緊密な経済関係を望むなら、英国以外の加盟国が移民対策で立場を見直し解決方法を探す必要があると伝えた。

  キャメロン首相はまた、国民投票の実施を後悔したかとの質問に対し、敗れたのは「遺憾」としながらも、実施を求める圧力があまりにも大きかったと語った。

  国民投票の結果を覆せるかもしれないという一部英国民のわずかな希望を打ち砕いたばかりか、EU首脳からは離脱後の寛容な扱いは期待できないとくぎを刺す声も出た。フランスのオランド大統領は「移動の自由の規則を適用しないなら英国は単一市場にアクセスできない」と言明した。「英国民を罰するというのではないが、結果に直面しなければならない」と述べた。

  対外的な難局に加えて国内では野党・労働党がコービン党首に対する不信任動議を可決。動議に拘束力はなく同党首は党首の座にとどまると表明したが混乱は否めない。スコットランドは英国からの独立を問う住民投票の再実施に向け準備している。スコットランド自治政府のスタージョン首相は29日午後にユンケル欧州委員長と会談するためブリュッセルに向かっている。同首相はこれを、欧州におけるスコットランドの居場所を守る闘いの「第1日」と位置づけた。
   
  欧州委員会のユンケル委員長は首脳会議後に記者団に対し、英国が離脱メカニズムを発動するまでの期間について制限を設ける考えを示した。「残留派の誰かが英国の首相に就くのであれば、就任から2週間以内に行われる必要がある。離脱派が次期首相になれば、就任の翌日に行われるだろう」と語った。

  キャメロン首相を除いた27カ国首脳らは29日も会議を続け、「欧州への新たな衝動」について「より深く考察する」とトゥスク欧州大統領が述べた。次回のサミットは9月27日に計画しているとも語った。

原題:Merkel Says No Way Back From Brexit as Cameron Regrets Loss (2)(抜粋)

(第6、7、9段落を追加します.)
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