6月28日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ポンド反発、英国民投票後で初の上げ-記録的売りは一服

28日のニューヨーク外国為替市場で、ポンドは英国の欧州連合 (EU)離脱選択後で初の上昇。高利回り資産への投資意欲回復が外為 市場にも広がり、ドルや円に対する逃避需要が後退した。

ポンドは対ドルで一時1.5%上昇した後、伸び悩んだ。EU加盟国 首脳はこの日から2日間の日程でブリュッセルに集まり、英国の離脱選 択を話し合う。英国では最大野党、労働党がコービン党首に対する不信 任動議を可決した。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバー グ・ドル・スポット指数は24日に英国民投票の結果が判明して以来初め て低下した。

トロント・ドミニオン銀行の北米為替戦略責任者、マーク・マコー ミック氏は「ポンドは一息ついただけだ。回復と言うよりも売り一服 だ」と述べ、「市場参加者は英国民投票の結果に不意打ちを食らった。 従って欧州通貨の相場は大幅な調整を余儀なくされている。この日はこ れに伴う若干の値固めだ」と続けた。

ニューヨーク午後5時現在、ポンドは対ドルで0.9%高の1ポンド =1.3344ドル。27日は約30年ぶり安値の1.3121ドルを記録した。ブルー ムバーグ・ドル・スポット指数はこの日0.5%低下。円は対ドルで0.7% 下げて1ドル=102円75銭。

INGグループの為替ストラテジスト、ビラジ・パテル氏(ロンド ン在勤)は「数日にわたる不安定で弱い動きの後で一時的に落ち着い た」と述べた。ただ、離脱に向けた動きを英国が少しでも遅らせるよう なことは「EU首脳にとって受け入れ難い」ものであり、ポンドの「一 時的な上昇も消え去る」恐れがあると指摘した。

英国民投票後のポンド急落のペースは予想以上に速く、ゴールドマ ン・サックス・グループとバンク・オブ・アメリカ(BofA)はポン ド予想を引き下げた。

アマンディ・スミス・ブリーデンの エイドリアン・ヘルファート 氏は「底はまだつけていない」と述べ、「まだ均衡点を見極めようとし ている。これは英国にとって経済的および基本的な見通しの変化だ」と 発言した。

原題:Pound Heads for First Post-Brexit Gain as Record Selloff Abates(抜粋)

◎米国株:3日ぶりに上昇、英国のEU離脱決定受けた不安が和らぐ

28日の米株式相場は反発。英国民投票で欧州連合(EU)離脱が決 定して以来3日ぶりの上昇となった。政策当局の取り組みにより、英国 のEU離脱の余波は限定されるとの楽観が広がった。S&P500種株価 指数はほぼ4カ月で最大の上げ。

この日は終盤に上げが加速し、ダウ工業株30種平均の上げ幅は260 ドルを超えた。銀行株は6週間で最大の上げ。前日まで2営業日続落 し、2日間の下げとしては約5年で最大だった。この日はテクノロジー 関連でフェイスブックやアップル、マイクロソフトが高い。また原油相 場の上昇を手掛かりにエネルギー株は2カ月半で最大の上げとなった。

S&P500種株価指数は前日比1.8%高の2036.09。上昇率は3月1 日以降で最大。ダウ工業株30種平均は269.48ドル(1.6%)上昇 し17409.72ドル。ナスダック総合指数は2.1%上昇。

フィラデルフィア・トラストのリチャード・シーシェル最高投資責 任者(CIO)は「信頼感を示す一例だ。相場が上昇すれば信頼感がも たらされる」と指摘。「一日を通じて堅調が維持されたことから、様子 見していたであろう投資家も引き入れられ、買いが広がった」と分析し た。

先週の英国民投票でのEU離脱決定を受けて安全資産を求める動き が強まり、世界の株式市場では時価総額にして約3兆6000億ドルが吹き 飛んだ。米国ではS&P500種が前日までの2営業日で5.3%下げ、年初 からの上げを消した。シカゴ・オプション取引所(CBOE)ボラティ リティ指数(VIX)はこの日21%低下。これは2011年以降で最大の下 げ。

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁はこの日、ポルトガルのシン トラでの演説で、世界的な政策調整の必要性を説き、英国のEU離脱の 影響を緩和するため政策当局者らが一段と協調して取り組むとの観測が 強まった。演説の中で総裁は、世界経済の弱さに対処する「共同責任」 があると言明した。

前日までの2日間の急落で、英国のEU離脱が既に沈滞した世界経 済に一層の重しとなるとの懸念が強まったが、この日の反発は一定の安 堵(あんど)感をもたらすものだ。投資家の米利上げ予想は後退してお り、先物市場が織り込む2017年2月までの利上げ確率はわずか10%。英 国民投票の結果が判明する前では52%だった。一方、11月までに金利が 引き下げられる確率は14%近くとなっている。

EUは首脳会議を開催し、英国のEU離脱決定への対応をめぐり協 議を続けている。ドイツ、フランス、イタリアは英政府に対し、EU離 脱手続きに着手するよう呼び掛け、市場リスクを抑制して前進したい意 向を表明した。英国のオズボーン財務相は27日、当局は国内経済を支え る緊急計画を策定済みだと述べ、英国のEU離脱選択を受けた市場混乱 の中で金融市場の不安払拭(ふっしょく)を図った。

ピープルズ・ユナイテッド・ウェルス・マネジメントのチーフ株式 ストラテジスト、ジョン・コンロン氏は「市場は落ち着いてきており、 この件をより理性的に捉えつつある」と分析した。

S&P500種の業種別10指数ではエネルギーと金融、情報技術の指 数が特に上げた。

銀行株で構成する指数は3.2%上昇と、5月18日以降で最大の上げ となった。前日までの2営業日では10%下げていた。

原題:U.S. Stocks Rebound as Worries Ease After Two-Day Brexit Selloff(抜粋)

◎米国債:反落、ブラックロックは早期の利下げはないと予想

28日の米国債相場は3日ぶりに下落。世界最大の資産運用会社ブラ ックロックのグローバル債券最高投資責任者(CIO)、リック・リー ダー氏は利下げ観測から期間の短い米国債を買い入れている投資家に向 け、英国の欧州連合(EU)離脱だけで米金融当局が利下げに踏み切る ことはないとの見解を示した。

前日までの2日間の相場上昇で、2年債利回りは昨年10月以来の低 水準を付けていた。ブルームバーグがまとめた金利先物市場が示す年末 までの利上げ確率が約11%に低下したことが買いの背景。英国民投票が あった23日には確率は50%あった。一方、利下げ確率は10%になってい る。

利下げ観測は見当違いだというリーダー氏はブルームバーグテレビ ジョンとのインタビューで、「2ー3年債など期間が短めの国債利回り には価値がない。ある程度、市場は利下げの高い可能性を織り込んでい る。本物の危機が起こらない限り、近い将来に検討さえされないと思 う」と語った。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーのデータによると、ニューヨ ーク時間午後5時現在、2年債利回りは前日比2ベーシスポイント(b p、1bp=0.01%)上昇して0.61%。同年債(表面利率0.625%、償 還2018年6月)価格は100ちょうど。

10年債利回りは3bp上昇の1.47%。前日までの2営業日では31b p低下していた。過去最低は2012年7月に付けた1.379%。

この日発表された経済指標では、6月の米消費者信頼感指数が上昇 し、8カ月ぶり高水準となった。今年1-3月(第1四半期)の米実質 国内総生産(GDP)確定値は改定値から上方修正された。個人消費は 下方修正されたが、純輸出の改善や企業設備投資の知的財産項目の上方 修正が補った。

ノーザン・トラストのチーフエコノミスト、カール・タネンボーム 氏は「米経済の環境については楽観的になれる材料が多い。米国内の状 況を見た場合、米金融当局は少なくとも今のところ緩和の必要はないと 考えているだろう」と述べた。

ドイツと英国の国債利回りも上昇した。英国民投票の経済的な悪影 響を限定するために当局が講じる可能性のある策に注目が集まる中、リ スクの高い債券や株式が選好された。

英国民投票後には世界の最も安全な国債が急上昇。利回りがゼロを 下回る国債の総額が約8兆9000億ドルに膨らんだ。

原題:BlackRock’s Rieder Warns No Fed Rate Cut Soon as Treasuries Fall (抜粋)

◎NY金:反落、世界的に市場が英国民投票前の落ち着き取り戻す

28日のニューヨーク金相場は反落。英国の欧州連合(EU)離脱決 定による影響を抑制するため政策当局が一段の措置を講じるとの観測か ら、世界的に市場は安定を取り戻した。

オプションセラーズ・ドット・コム(フロリダ州タンパ)の創業 者、ジェームズ・コーディアー氏は電話インタビューで、「世界中で株 式相場が値固めし、パニック売りから持ち直しているため、英EU離脱 の不安は収束しつつあるとの視点から、株式への資金流入と金からの若 干の流出が進むだろう」と指摘。「週末までに市場は英EU離脱を消化 し終わり、金は恐らくこの水準付近で落ち着くだろう」と述べた。

ブルームバーグのデータによると、ニューヨーク時間午後2時15分 現在、金スポット相場は前日比0.7%安の1オンス=1315.34ドル。年初 からは24%値上がりしている。

ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物8月限は前日 比0.5%安の1オンス=1317.90ドル。銀先物9月限は0.6%高の17.889 ドル。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のプラチナはほぼ変わら ず、パラジウムは上昇。

原題:Gold Retreats, Copper Climbs as Post-Brexit Markets Stabilize(抜粋)

◎NY原油:急反発、英離脱の影響抑制へ政策発動に期待

28日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インタ ーミディエート(WTI)先物が急反発。英国の欧州連合(EU)離脱 が経済に及ぼす悪影響を封じ込めようと、政策当局が行動に出るとの観 測が広がっている。前日までの2営業日では7.5%下げていた。ブルー ムバーグがまとめた調査では、29日の米エネルギー情報局(EIA)週 間統計では米原油在庫の250万バレル減少が明らかになる見通し。

トラディション・エナジー(コネティカット州スタンフォード)の シニアアナリスト、ジーン・マクギリアン氏は「一息つけるようになっ た」と語る。「英離脱が世界経済に及ぼす打撃への不安はおおむね織り 込み済みだ。このプロセスが完了するまでには長い道のりがあり、冷静 な対応が望まれる」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物8月限は前日 比1.52ドル(3.28%)高い1バレル=47.85ドルで終了。ロンドン ICEのブレント8月限は1.42ドル(3%)上昇の48.58ドル。

原題:Oil Gains After Brexit Rout as Policy Makers Try to Curb Fallout(抜粋)

◎欧州株:3日ぶり反発-市場の混乱収拾へ、当局動くとの観測

28日の欧州株式相場は反発。指標のストックス欧州600指数は前日 まで2日間としては2008年以来の大幅下落を記録していた。当局者が最 近の市場混乱に対する措置を講じる可能性があるとの観測が広がった。

ストックス600指数は前日比2.6%高の316.70。英国が国民投票で欧 州連合(EU)離脱を選択したことに伴う不透明感の高まりから、同指 数は前日までの2日間で11%下げていた。同じく5.6%下げていた英 FTSE100指数も2.6%上昇。この日の欧州株の出来高は30日平均 を60%上回る水準で、英国株の出来高は74%上回った。

ミラボー・セキュリティーズ(ジュネーブ)のシニア株式トレーダ ー、ジョン・プラサード氏は「中銀の協調介入があるとの期待で株価が 反発している」とし、「中銀は行動する準備があると宣言することで市 場に信頼感を取り戻すことができる。このような支援がなければ、一段 安となるだろう」と語った。

銀行株が買われ、英ロイズ・バンキング・グループが大幅高。9% 上昇したUBIバンカを中心にイタリアの銀行も堅調だった。英ハーグ リーブス・ランズダウンとアバディーン・アセット・マネジメントなど 金融サービス銘柄も上げ、ストックス600指数の業種別19指数の中で上 昇率首位となった。

原題:European Stocks Rebound as Investors Speculate on Policy Help(抜粋)

◎欧州債:スペイン債利回り、1年ぶり低水準-英EU離脱の影響一服

28日の欧州債市場ではスペインなどユーロ参加国で高利回りの国債 が上昇。英国の欧州連合(EU)離脱選択に伴う世界的な売り浴びせが 小休止したことが背景にある。

高利回り資産に買い戻しが入ったことを背景に、スペイン10年債利 回りが過去1年余りの最低を記録した一方、域内で最も安全とされるド イツ国債のパフォーマンスはこれを下回った。イタリア10年債のドイツ 国債に対する利回り上乗せ幅(スプレッド)は英EU離脱選択後のピー クから約40ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)縮小した。

EU首脳らはブリュッセルでこの日から2日間の日程で首脳会議を 開催。英国のEU離脱が議題の中心になるとみられており、首脳らの対 応が注目されている。

スペイン国債は前日も上げ、10年債利回りは2014年半ば以来の大幅 低下となっていた。欧州中央銀行(ECB)の量的緩和(QE)プログ ラムが投資家心理を落ち着けるのに役立った。

ソシエテ・ジェネラルの欧州金利戦略責任者シアラン・オヘイガン 氏(パリ在勤)は、「利回りを追求して相場上昇に乗り遅れまいとする 動きがある。欧州経済は今後数カ月厳しいシナリオをたどるとの見方も あるが、一部はデュレーションとリスクの保有に積極的になっている」 と指摘。「ECBの資産買い入れ策があるという一定の安心感があり、 これが間違いなく投資家の参入を容易にしている」と付け加えた。

ロンドン時間午後4時24分現在、スペイン10年債利回りは前日比13 bp低下の1.32%。一時は1.31%と、2015年4月以来の低水準を付け た。前日は18bp低下と、14年6月以来の大きな下げを記録した。同国 債(表面利率1.95%、2026年4月償還)価格はこの日、1.255上 げ105.765。

アイルランド10年債利回りは10bp下げ0.64%。これも15年4月以 来の低い水準。

原題:Spain’s Bond Yield Falls to One-Year Low in Brexit-Selloff Pause(抜粋)

(更新前の記事で米国債の1行目を訂正済みです)

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