米国株:3日ぶりに上昇、英国のEU離脱決定受けた不安が和らぐ

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28日の米株式相場は反発。英国民投票で欧州連合(EU)離脱が決定して以来3日ぶりの上昇となった。政策当局の取り組みにより、英国のEU離脱の余波は限定されるとの楽観が広がった。S&P500種株価指数はほぼ4カ月で最大の上げ。

  この日は終盤に上げが加速し、ダウ工業株30種平均の上げ幅は260ドルを超えた。銀行株は6週間で最大の上げ。前日まで2営業日続落し、2日間の下げとしては約5年で最大だった。この日はテクノロジー関連でフェイスブックやアップル、マイクロソフトが高い。また原油相場の上昇を手掛かりにエネルギー株は2カ月半で最大の上げとなった。

  S&P500種株価指数は前日比1.8%高の2036.09。上昇率は3月1日以降で最大。ダウ工業株30種平均は269.48ドル(1.6%)上昇し17409.72ドル。ナスダック総合指数は2.1%上昇。

ニューヨーク証取のトレーダー

Photographer: Michael Nagle/Bloomberg

  フィラデルフィア・トラストのリチャード・シーシェル最高投資責任者(CIO)は「信頼感を示す一例だ。相場が上昇すれば信頼感がもたらされる」と指摘。「一日を通じて堅調が維持されたことから、様子見していたであろう投資家も引き入れられ、買いが広がった」と分析した。

  先週の英国民投票でのEU離脱決定を受けて安全資産を求める動きが強まり、世界の株式市場では時価総額にして約3兆6000億ドルが吹き飛んだ。米国ではS&P500種が前日までの2営業日で5.3%下げ、年初からの上げを消した。シカゴ・オプション取引所(CBOE)ボラティリティ指数(VIX)はこの日21%低下。これは2011年以降で最大の下げ。

  欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁はこの日、ポルトガルのシントラでの演説で、世界的な政策調整の必要性を説き、英国のEU離脱の影響を緩和するため政策当局者らが一段と協調して取り組むとの観測が強まった。演説の中で総裁は、世界経済の弱さに対処する「共同責任」があると言明した。

  前日までの2日間の急落で、英国のEU離脱が既に沈滞した世界経済に一層の重しとなるとの懸念が強まったが、この日の反発は一定の安堵(あんど)感をもたらすものだ。投資家の米利上げ予想は後退しており、先物市場が織り込む2017年2月までの利上げ確率はわずか10%。英国民投票の結果が判明する前では52%だった。一方、11月までに金利が引き下げられる確率は14%近くとなっている。

  EUは首脳会議を開催し、英国のEU離脱決定への対応をめぐり協議を続けている。ドイツ、フランス、イタリアは英政府に対し、EU離脱手続きに着手するよう呼び掛け、市場リスクを抑制して前進したい意向を表明した。英国のオズボーン財務相は27日、当局は国内経済を支える緊急計画を策定済みだと述べ、英国のEU離脱選択を受けた市場混乱の中で金融市場の不安払拭(ふっしょく)を図った。

  ピープルズ・ユナイテッド・ウェルス・マネジメントのチーフ株式ストラテジスト、ジョン・コンロン氏は「市場は落ち着いてきており、この件をより理性的に捉えつつある」と分析した。

  S&P500種の業種別10指数ではエネルギーと金融、情報技術の指数が特に上げた。

  銀行株で構成する指数は3.2%上昇と、5月18日以降で最大の上げとなった。前日までの2営業日では10%下げていた。

原題:U.S. Stocks Rebound as Worries Ease After Two-Day Brexit Selloff(抜粋)

(5段落以降を追加し、更新します.)
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